第45回定例会 新年度スペシャル!みずのき美術館の奥山理子さんをお迎えして、一緒にお話ししよう

NEXT DOOR世話人

開催日:2024年4月27日(土)

第45回定例会は、DOORの授業でもお馴染みの奥山理子さんをお迎えして、みずのき美術館画材循環プロジェクト「巡り堂」などのアートプロジェクトのこぼれ話、これまでの「アートプロジェクト実践論」の授業のエピソード、新たに開講した「ケア×ソーシャリー・エンゲイジド・アート実践論」への思いなどのお話を伺いました。

奥山さんはDOORの立ち上げに関わられた後、当初から現在に至るまで「アートプロジェクト実践論」の授業を担当されています。今回の定例会には1期から7期まで約70名の修了生が参加し、同窓会のようなアットホームな雰囲気の中で笑顔の絶えない対話の場となりました。

先ずは、DOORの源流となった2015年のTURNプロジェクトの紹介からスタート。折しも2020オリパラへの期待感から、施設にアーティストが滞在し創作を行うなど、福祉の現場のリアリティをア-ティストの表現に結びつける動きに注目が集まり始めた時期でした。

「『アート×福祉』の学びの場を藝大でコーディネイトし、社会実装できると面白いのではないか」

そんなアイデアの現場に奥山さんも加わり、2016年にDOORは産声を上げました。TURNやみずのき美術館での実践を共有する形で、奥山さんは「アートプロジェクト実践論」の授業を担当されます。

その後、コロナ禍もあり、ワークショップや共同制作のようなイベント性のある活動からはこぼれ落ちてしまいがちな現場の多様な課題にどう対処すればよいかを考えるようになりました。アートプロジェクトの枠を超えて、制度や社会運動などにも関心を向けながら、障害を持つ方に寄り添うだけでなく芸術家たちへのサポートも行う。そんな視点や実践も授業の中に反映されていきました。

単なる「アートプロジェクト」ではなく、「誰のための、何のプロジェクト」なのか。そこにケアの視点も取り入れる形で「ケア × ソーシャリー・エンゲイジド・アート実践論」が2024年度から開講。

一見すると遠い関係の「アート」と「福祉」ですが、両者を結びつけるベースにあるのは人と人とのコミュニケーションや信頼関係。それがあれば多様な価値観も受け入れられると奥山さんはいいます。

「ひとつに限定することは可能性を狭めます。世の中に信じられるものがひとつでも増えていくように、それぞれの現場でDOORでの学びを活かしていってください」との奥山さんのアドバイスで、定例会はお開きとなりました。

最後に、みずのき美術館コレクション展2024「瓶と魚」の紹介があり、ギャラリートークの日に合わせた修了生有志による亀岡ツアーを後日開催!みずのき美術館や巡り堂をリアルに体験できる嬉しい学びの機会が実現しました。(世話人安東、大山)

(リンク)
・「アートプロジェクト実践論」(過去のアーカイブ)
1期(2017年)
https://door.geidai.ac.jp/summer/152
2期(2018年)
https://door.geidai.ac.jp/summer/572
3期(2019年) ※掲載無し
https://door.geidai.ac.jp/summer/1020
4期(2020年)
https://door.geidai.ac.jp/summer/2009
5期(2021年)
https://door.geidai.ac.jp/summer/3403
6期(2022年)
https://door.geidai.ac.jp/summer/6243
7期(2023年)
https://door.geidai.ac.jp/summer/11113

・「ケア×ソーシャリー・エンゲイジド・アート実践論」
https://door.geidai.ac.jp/curriculum-list2021/?y=2024#b3