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2021
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アートプロジェクト実践論

講師: 奥山理子(みずのき美術館キュレーター、HAPSディレクター)
京都にある「みずのき美術館」キュレーターの奥山理子先生を講師に迎え、オンラインで4日間の集中講義を実施しました。
そもそもアートプロジェクトとは何か、その成り立ちや現在各地で行われている取り組みを知り、ディスカッションを含めながら学びを深めていきました。授業内では映像視聴やリアルタイムでの配信による講演会にも参加し、最終日はゲスト講師を迎え、みずのき美術館の展示室から配信を行いました。授業は以下の流れで実施しました。

①9月4日(土)
●導入①みずのき美術館のアートプロジェクトの実践
●映像視聴「森山開次(ダンスを介した交流の記録 1~7)」
●導入②アートプロジェクトが育つインフラを整える-Social Work / Art Conferenceの設立-」

②9月11日(土)
●アートプロジェクトのはじまりと広がり
●社会包摂/多文化共生とアートプロジェクト
●視聴
山川冬樹氏講演会「ハンセン病療養所から考える芸術の意味」主催:国立ハンセン病資料館

*レポート課題「アートプロジェクトを探して調べてみよう」
内容:各地で取り組まれている/取り組まれたアートプロジェクトを1つ選び、そのアートプロジェクトの概要、特徴、課題、考察をまとめ、レポートにして提出します。次回の授業で、指名された受講生が発表します。

③9月18日(土)
●課題発表「古今東西アートプロジェクト調査結果」約10名が発表し、意見交換を行いました。
●グループワーク「アートプロジェクトの未来をつくる」(zoomのブレイクアウトルームにて4名でディスカッション)
ワーク1「アートプロジェクトは誰が最初に始めるべき?」
ワーク2「自治体が主導するアートプロジェクト・芸術祭の落とし穴」
ワーク3「アートプロジェクトの評価に必要な要素は何か?」

④9月25日(土) みずのき美術館より配信
●みずのき美術館ギャラリーツアー
●トーク「共有空間について考える」
ゲスト講師:小山田徹氏(美術家)小山田先生による講義も実施。

 

4日間の授業を通してアートプロジェクトの歴史と現在を学ぶ、貴重な機会となりました。アーティストの想いや、企画する人、実施する土地に住む人の視点など、多角的にプロジェクトを捉えることができたと思います。DOORでも、TURNをはじめ、アートプロジェクトに関わる機会は多数あります。この学びが受講生のこれからの活動に活かされることを願っています。

 

講師プロフィール

みずのき美術館キュレーター、HAPSディレクター

奥山理子

1986年、京都生まれ。母が、絵画活動で注目された社会福祉法人松花苑みずのきの施設長に就任したことに伴い、12歳より休日をみずのきで過ごす。2007年以降の法人主催のアートプロジェクトや、農園活動にボランティアで従事した後、2012年、みずのき美術館の立ち上げに携わり、以降企画運営を担う。2万点を越える所蔵作品のアーカイブ、アール・ブリュットの考察、社会的支援を必要とする人たちとのアートプロジェクトなど、企画は多岐に渡る。アーツカウンシル東京「TURN」コーディネーター(2015-2018)、東京藝術大学特任研究員(2018)を経て、2019年より、HAPSの「文化芸術による共生社会実現に向けた基盤づくり事業」に参画し、2020年、相談事業「Social Work / Art Conference」ディレクターに就任。東京藝術大学Diversity on the Arts Project非常勤講師。
Photo: Sepide Hashemi