山形優子さん(7期生)
(デイケア介護員・成年後見人/2023年度受講/石川県在住)
DOORで学んだことを仕事に生かすことができていると思います

①DOORプロジェクトへ参加した(知った)きっかけ

昨年図書館でポスターを見たのがきっかけです。大学卒業後ずっと福祉分野で働いていて、アートには特に興味もなく地元で芸術祭が開催されても一時的なお祭りのイメージしかなかったです。ある時、現在働いているデイケア施設の利用者さんが自分の作った作品を見て「これってアートやよね」と言われたことがありました。その時に昔大学の授業で人が生きるということは一人一人違うし、違っているから良いのであって、生きることはアートなんだと習ったことを思い出しました。アートは近くにあるものだったと思い出したことから、そのポスターがすごく気になりました。東京藝大で福祉を学ぶとはどういうことなのかとても気になっていたのですが、昨年は別の研修を受けており受講するのは負担が大きいと諦めたので、全部zoomでも受講できることから是非今年はと意気込んで受講申し込みをしました。

 

②印象に残っている講義や実習

どの講義もとても面白く、印象に残っています。ケア原論の飯田先生の言葉は現場でケアする者として毎回反省することが多く、重みを感じました。ダイバーシティー実践論ではいろいろな分野の方の講義を受けることができ、世の中には自分の知らないことが沢山あり、知らないこと、無関心であることの恐ろしさを改めて感じました。選択科目Ⅰは僻地に住んでいるのでzoomで参加できる「ARTs×SDGsプラクティス」を履修し、毎回の課題提出も楽しんで制作できました。アートとSDGsの繋がりは何かを考えるきっかけになったと思います。選択科目Ⅱの「アートプロジェクト実践論」では3年に1度地元で開催される奥能登国際芸術祭について自分なりに調査したことから、あんなに興味のなかった芸術祭を人との繋がりや時間の経過、この場所でしか成しえない作品という観点から楽しく鑑賞できました。また、授業後の放課後や今までの修了生がzoomで集まる「NEXTDOOR」の定例会もとても楽しく、いろいろな方のお話や意見を聞く良い機会です。

 

③仕事/生活/学業とDOORプロジェクトの両立について

毎週月曜日は仕事を定時に終わらせて、猛ダッシュで帰宅し受講にギリギリ間に合うという感じでした。介護の仕事なので、その日の利用者さんの状態によっては定時を過ぎることもありますが、そんな時は同僚たちに声をかけて授業のある日は定時に帰らせてもらいました。また、私は社会福祉士会の会員で能登ブロック理事をしており、成年後見人としても活動しています。月1回の理事会がちょうど講義の日なので、毎月1回は必修科目講義を欠席すること、被後見人等の状態が急変することもあるので講義を受講できない場合もあると思いましたので、それでも受講して良いのか申し込む前にDOORの担当の方にメールをしました。あとから映像視聴できるので大丈夫ですとの返事をいただき、安心したことを覚えています。仕事や生活を考えるとDOORを受講することを迷うかもしれません。しかし全国から受講生が集まるDOORを通じていろいろな視点、角度からモノを見ることの大切さを教わることができ、いろいろな人との新しい繋がりができます。私はDOORで学んだことを仕事に生かすことができていると思います。そのDOORを開くのも、閉めるのも自分自身かなと思います。

(2023年12月 トークセッション収録より)