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2022
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ケア実践場面分析演習 "現場を伝える"をつくる -成果展-

講師: 金野千恵(建築家/teco)
ケア実践場面分析演習では-現場を「伝える」をつくる-をテーマに半年にわたり、親と離れて暮らす子どもたちやその支援の現場との交流から、「現場と伝える」作品を制作しました。

成果展ではこれらの作品だけでなく実習のプロセスを展示し、展覧会の形で「子どもたちの生きる環境」を伝えます。昨年度はコロナウィルスの感染拡大のため、実施できなかったので一年ぶりの開催です。

日々思索し議論を重ねながら制作した作品や交流のプロセスがDOOROOMに並びました。

会期中は受講生も在廊し、来場者へ作品の説明を行ったり、実習先で行ったワークショップを再現したりし、直接的に言葉や写真として伝えられない子どもたちや支援の現状が少しでも伝わるよう、努めました。

2021年度のDOORは3月31日で修了します。でも、子どもたちへの社会的支援が終わるわけではありません。これからは実習で得られたメンバーと、または受講生のいるそれぞれの場所で、「子どもが生きる環境」あるいはそれ以外のテーマで、ー「伝える」をつくるーが続くことを願っています。

 

[作品紹介]

①「みちのりと瞬間」
実習先:千葉市児童相談所
一次保護所の子どもたちとのワークショップから生まれた作品と受講生が感じたことをまとめたテキストを展示。また来場者とともに子どもたちと行ったワークショップを行った。児童相談所で作品展示を予定している。

②「声をすくいあげる」
実習先:川瀬信一氏
川瀬さんとの対話から「子どもアドボカシー」に着目し、メンバーそれそぞれの視点から声にならない声に耳を傾ける・すくいあげるワークショップを制作。グループ展、ワークショップ展などの形での発表の機会を探っている。

③「いってらっしゃいとおかえりのあるところ 子山ホーム展
-夢の理由ならここにある-」
実習先:社会福祉法人チルドレンスパラダイス子山ホーム
児童養護施設に住んでいる子どもたちと一緒に作品を制作、12月に都内で展覧会を実施した。展覧会には子どもたちも来場しさらなる交流を行なった。
成果展ではこの一連の交流のプロセスをまとめ展示した。

④「HOME TREE」里親と子どもが ともに育てる「家庭」のエピソード集
実習先:ひまわり会(千葉市里親会)
等身大の家庭のエピソードをつたえることで里親家庭のイメージを広げるウェブサイト。今後も丁寧に取材や確認を行いながらエピソードを徐々に増やしていく予定。

https://hometree.jp/

⑤「どすこい親子相撲」
実習先:ひまわり会(千葉市里親会)
養育里親の家庭との対話から、明るく発信したいと考え、様々な家庭の親子指相撲の動画を配信することで家庭の多様さを発信している。指相撲動画も募集中。

https://twitter.com/oyakozumo_kero

https://www.youtube.com/channel/UCz5Dj8qPXFJpUZB0l-hz8NA/videos

⑥-1「現象の多面性を感じるための思考実験」
実習先:社会福祉法人みねやま福祉会
児童虐待という課題から「多面性を見ることが出来ない社会」が特定の人を責める行為を生むと仮定し、Twitterを用いて思考実験を行なっている。

https://note.com/katsugood/n/n2b8432af9396

⑥-2「ノクターン-児童養護施設の過去・現在・未来-」
実習先:社会福祉法人みねやま福祉会
峰山乳児院・てらす峰夢の歴史を通し、児童養護施設の過去・現在・未来を映像としてまとめた。

https://www.youtube.com/watch?v=Wn4Kh-qAZVA&t=72s

⑦「子どもたちの生きる環境-ケア実践場面分析演習5期 note-」
実習先:編集・アーカイブ
各実習チームのプロセスを追い、「子どもたちの生きる環境」をNOTEというメディアを用いて伝える。3月ごろに公開予定。

https://note.com/keazithu

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ケア実践場面分析演習成果展
現場を伝えるをつくる 子どもたちの生きる環境
日程:2021年1月26日(水)-1月30日(日) 13:00 ~ 19:00 *会期中無休
入場料:無料
会場:DOOROOM 〒110-0002 東京都台東区上野桜木 1-7-5 ハウス上野の山 B1
URL: https://door.geidai.ac.jp/info/exhibition_care_2022/

2021年度実習先:
千葉市児童相談所、社会福祉法人チルドレンスパラダイス子山ホーム、ひまわり会(千葉市里親会)、川瀬信一、社会福祉法人みねやま福祉会、編集・アーカイブ

 

講師プロフィール

建築家/teco

金野千恵

1981 年神奈川県生まれ。2011 年東京工業大学大学院博士課程修了、博士(工学)。2013-16 年 日本工業大学助教。2015 年より t e c o を共同で設立。現在、東京大学、東京藝術大学など゙にて 非常勤講師。住宅や福祉施設の設計、まちづくり、アートインスタレーションを手がけるなかで、仕組みや制度を横断する空間づくりを試みている。主な作品に住宅「向陽ロッジアハウス」、訪問介 護事業所「地域ケアよしかわ」(2014)、「幼・老・食の堂」など。2021年より、京都工芸繊維大特任准教授。
https://teco.studio/