1962年神戸市まれ。9歳で失明、18歳で失聴、全盲ろう者となる。1983年 東京都立大学(当時)に入学。盲ろう者で全国初の大学進学を果たす。同大博士課程を終え、同大助手、金沢大学助教授、東京大学助教授などを経て、2008年から現職。博士(学術)。
横浜国立大学 × DOOR to DOOR
コンタクト:惑星のなかのこの身体 ―現代芸術論―
第4回:12月3日(火)13:00-14:30
講師:
福島 智(東京大学先端科学技術研究センター 教授)
第4回は全盲ろうの当事者で東京大学先端科学技術研究センター教授の福島智さんにご登壇頂いた。
18歳で全盲ろうになった当初、既存の方法では他者とのコミュニケーションが難しく現実的な課題であったが、母が試した指点字=機械を使わないコミュニケーションという大きな武器を得、世界が大きく広がったという。
光と音を失っていく喪失の人生の中、自身の努力だけではなく他の人との繋がりによって人生を取り戻すことができた。
講座タイトルに関連し、元々宇宙に興味のあった福島教授から「未知の惑星に不時着した宇宙飛行士が通信手段の途絶えた状況で地球に帰還できるか」というSF的設定で自身を捉えたというエピソードが語られた。
世界の捉え方についての質問が多く、五感の中では特に触覚と言葉の力が大きい事や、世界を文字情報で認識しており映画化された小説ではなく小説を小説として読むような感覚でいる事などが語られた。
障害は必ずしも乗り越えられるものではなく、自然災害や事故による喪失体験と同じように決して消えることはない。
医学的にも社会的にも癒すことができない魂のレベルでの悲しみや実存的な苦しみに対しどう対応するかが今後の大きな課題であると締めくくられた。
18歳で全盲ろうになった当初、既存の方法では他者とのコミュニケーションが難しく現実的な課題であったが、母が試した指点字=機械を使わないコミュニケーションという大きな武器を得、世界が大きく広がったという。
光と音を失っていく喪失の人生の中、自身の努力だけではなく他の人との繋がりによって人生を取り戻すことができた。
講座タイトルに関連し、元々宇宙に興味のあった福島教授から「未知の惑星に不時着した宇宙飛行士が通信手段の途絶えた状況で地球に帰還できるか」というSF的設定で自身を捉えたというエピソードが語られた。
世界の捉え方についての質問が多く、五感の中では特に触覚と言葉の力が大きい事や、世界を文字情報で認識しており映画化された小説ではなく小説を小説として読むような感覚でいる事などが語られた。
障害は必ずしも乗り越えられるものではなく、自然災害や事故による喪失体験と同じように決して消えることはない。
医学的にも社会的にも癒すことができない魂のレベルでの悲しみや実存的な苦しみに対しどう対応するかが今後の大きな課題であると締めくくられた。
講師プロフィール
東京大学先端科学技術研究センター 教授