松山大学 × DOOR to DOOR

当事者との対話 ー「ひみつジャナイ縁日」をつくろう!ー

第1回 2月11日(火)

講師: 天野博之(松山大学大学院社会学研究科研究生)/大鋸龍之助(松山大学人文学部英語英米文学科1年)/森畑裕子(松山市社会福祉協議会 地域福祉部地域支援課 地域福祉活動指導員)
この講義は当事者を招いた対話・実習・実践を含む総合的なプログラムである。

初めに概要説明と参加者の自己紹介、次に講師による講義と質疑応答、最後に屋台制作に向けたアイデア出しとチーム分けが行われた。参加者の総数は53名。

まず、コーディネーターが本講座の開催経緯とその意義を説明後、アイスブレイクを兼ねて講師を含めた参加者全員の簡単な自己紹介を行った。

次に講師3名によるプレゼンテーションを行った。天野博之さん(脳性麻痺)は研究テーマである障害児教育について自身のライフヒストリーをもとに語り、大鋸龍之助さん(マネリスコ・シェーング症候群)は難病とそれによる社会に置ける障がい、将来の夢やそれを実現する上での迷いについて語った。また森畑裕子さん(網膜色素変性症)は病状進行との心の折り合いの付け方、世界の知覚の仕方などについてお話し頂いた。

その後、講師ごとに参加者が3つのグループに分かれ、ディスカッションを行った。講義で疑問に思ったことを質問をしたり、テーマについて話し合うなど、藝大の学生及び松山の学生が各グループに入り、対話をサポートした。

各グループでの対話は、次回以降行われる美術制作「各講師の抱えるテーマをそれを知らない人に対しどのように伝えるか」ということを念頭に置いたもので、当事者の想いや障がいが、より具体的な言葉に置き換えられ、相互理解が深まったと感じた。
今回の知見を次回から始まる制作に反映させていきたい。

講師プロフィール

松山大学大学院社会学研究科研究生

天野博之

1960年四国中央市生まれ。脳性マヒという障害を持ち、実際に障害児教育を受けた立場から障害児教育を批判的に考察。障害児教育を特別支援学校から地域の学校の特別支援学級に分散し、障害児に必要な支援を当該学級で提供すべきであると主張。病院勤務やNPO法人副理事長を経て、現研究生となり、2020年4月博士後期課程に進学予定。

松山大学人文学部英語英米文学科1年

大鋸龍之助

2000年生まれ。0歳6ヶ月の時にマリネスコシェーグレン症候群と診断される。現在、車椅子で生活している。2019年松山大学人文学部英語英米学科入学。父は画家として活躍している。その影響で絵を描くことが好きになる。中学校・高校では美術部に所属し、さらに絵に関心をもつ。大学では.英語と中国語を学び、将来は海外で活躍出来る絵描きになりたいと思っている。

松山市社会福祉協議会 地域福祉部地域支援課 地域福祉活動指導員

森畑裕子

1974年東京都八丈島生まれ。福祉系専門学校を卒業後、ボランティア活動推進団体に勤務。2002年に松山市社会福祉協議会に入社。清水小学校の余裕教室を活用し、設立された高齢者施設「いきがい交流センターしみず」に地域福祉活動指導員として勤務。講座や異世代交流授業のコーディネート業務を担当。持病の網膜色素変性症の症状進行と心との折り合いを付けながらQOL向上に励む毎日。2017年3月より盲導犬をパートナーに迎え生活している。