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2025
9/19

人間形成学総論 第4回 自律的学習者を目指して

講師: 渡邊祐子(東京藝術大学 非常勤講師)
授業の冒頭では、晩年まで創作活動を続けた美術家と建築家の二人について、人生の最後まで現役であり続けたという視点で参照し、「人生の主役としていきいきと生きる工夫」について、ブレイクアウトルームに分かれ、各グループで対話を行いました。

次に、「学びの諸相」と題して、学びの過程を確認していきます。情報の獲得、技能の体得、これらを自身が主体となって行う学び、そしてよりよく生きるための学びという順序に並べ、さらに、主体的に学ぼうとするとき、そこには必ず「他者の存在」がなければならないのはなぜかという点を検討していきます。

「成人の学び」の特性は、学びの方法・かたちを自分自身で作り上げ、学んだことを自身がときほぐして再構築することができる能動性にあることを確認し、こうした学びの在り方は、「Self directed learning(セルフディレクテッドラーニング)」と言えると整理しました。

後半は、「成人の学び」を取り巻く環境やその障害となる要因に着目します。境遇的障害、制度的障害など複数の要因を挙げ、これらを取り除くためには「教育」を提供する側から解消へのアプローチをしていく必要がある点も確認しました。

最後に、各自が授業内での課題に取り組み、質疑応答を経て講義を終了しました。

講師プロフィール

東京藝術大学 非常勤講師

渡邊祐子

東北大学大学院教育学研究科博士課程を修了後、都内の大学で教育学の教鞭をとる。専門は生涯学習、美術館教育の実践。2016~21年には、東京都美術館より専門家委託として、Museum Start あいうえのプログラム・オフィサーに従事。