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2024
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ドキュメンタリー映像演習 学内上映会(講評会)

講師: 森内康博(映像作家、映画監督、株式会社らくだスタジオ代表)
いよいよ、約半年の制作期間が終わり、6チームの作品の上映会が開催されました。講評会という形式で、日比野克彦大学長もゲストで参加いただきました。1年間、どのようなプロセスを経て制作したかを最初に振り返り、森内先生から改めてテーマの説明がされた上で、上映を行いました。

最初に日比野先生から「DOORの授業としては、様々な人に対して、どのような距離感で接することができるか、他者とどのように共有・共感できるかを大切にしている。映像作品として素晴らしいかより、制作のプロセス、何に着目したか、どんな配慮、関係性、気遣い、新しい価値観があったか気づかせてくれるような作品になってればいいなと思っている。」というお話しがありました。

以下の順番で上映され、上映の後に講評と対話、質疑応答が行われました。

【取材先】でんきのエルク (家電販売・アフターケア・リフォーム)、富岡美好(和菓子製造・販売) 、中村機材(極厚鋼板切断工場) 、小味庵 ・ 萌寿(小料理屋) 、白いエプロン(宅配弁当) 、豊田たばこ店(たばこ・製菓販売)

先生方の講評では、撮影時の苦労話、素材の取捨選択をどのように行っていったか、など質疑応答が行われました。さらに、役割分担の話、取材先と距離感がどのように縮まっていったか、ナレーションをどのように入れたかという話も深堀されました。加えて、技術的なアドバイスも伝えられ、さらに効果的になる構成などが助言されました。

どの作品も、取材先との信頼関係の上に成り立っており、中にはカメラを持っている人が無視できるくらい馴染んでるというチームもありました。制作した皆さんは、改めて見ての感想や、感じた想いを丁寧に話されました。

最後に先生方より総評をいただきました。

森内先生「正直に、面白い上映会となった。前回の授業からよくここまで仕上げたと思った。授業時間外での撮影や制作は、難しいかと思ったが、完成することができた。自分で行った時以上に、たくさんの浦安を見ることができと思う。今年度の特徴として、ナレーションについては教えていないのに、5本入っていた。また、ナレーションがない映画は、映像の順番によって、観客が物語を想像していく。前期の座学で紹介したことも思い出された。」

日比野先生「とても良かった。没入できた。気持ちだけが先走ることなく、撮影できる、音が録れるというテクニックがしっかり追いついている。そして、各チームに『この人のこの気持ちを伝えたい』という想いが確実にあった。それに出会えたから、撮影の現場も編集も、チームで同じビジョンを見ながら作れたのではないか。映像というメディアには、地域の魅力を発信できる力があるので、今度は上映会で浦安の人の感想も聞いてみたい。そこに向けてブラッシュアップしていってほしい。」

最後に記念撮影を行い、上映会の後には映像の最後の仕上げ方、情報保障のために字幕をどのように入れるかという指導がされました。授業としては、この日が最後でしたが、本当の最後は浦安での上映会です。この日にカメラや機材を借りたチームもありました。完成まで、あと一息。2/10の上映会を楽しみにしています!

講師プロフィール

映像作家、映画監督、株式会社らくだスタジオ代表

森内康博

1985年生まれ。映像作家、映画監督、株式会社らくだスタジオ代表。
らくだスタジオプロデュースによるドキュメンタリー映画の制作や、CM・PV・アートプロジェクトの記録映像、また大学研究機関との映像アーカイブに携わる。

戦没画学生慰霊美術館「無言館」を題材としたドキュメンタリー映画『二十歳の無言館』(2016年)監督
東京都美術館 企画展「BENTO おべんとう展―食べる・集う・つながるデザイン」にて映像インスタレーション『Making of BENTO』(2018年)展示
電動車椅子サッカードキュメンタリー映画「蹴る」(2018年)プロデューサー
旧神奈川県立近代美術館 鎌倉の改修工事の記録「再生される白い建物ー 改修工事の軌跡 2017-2019」(2019年)監督
藤沢市湘南台文化センターこども館30周年記念事業 市民映像制作「SFショートムービー(プラネタリウム上映)」(2019年)企画、監修