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2023
11/7

ARTs×SDGsプラクティス/振り返り+最終課題について

講師: 伊藤 達矢(東京藝術大学 教授)/田中 一平(東京藝術大学 特任講師)
6月から始まったゲスト講師による講義が10月で終わり、今回はこれまでの講義を振り返る時間となりました。

最初に、伊藤先生から振り返りの意義についてお話しいただきました。人は既に何らかの考えや経験を持っており、新しく入ってきた知識がそれらに結びつくことではじめて「わかる」という状況になるといいます。自分の中に知識を詰め込むだけでは「わかる」に繋がらないのです。そして、この「わかる」という状況をつくりだすのに振り返りが有効だといいます。振り返りは一人でもできますが、人と対話をし、自分と相手の中に残っていることを思い出しながら、考えたことや思ったことを持ち寄り、講義のことを辿り直すことでも「わかる」は生まれます。オンラインかつ座学形式のこの授業だからこそ、振り返りという能動的な時間が大切だと話されました。

次は、田中先生による各講義回の振り返りです。キーワードや印象に残った言葉から講義内容を改めて話されました。この時間に、最初の頃の講義を思い出す受講生が多くいました。

最後に、ブレイクアウトルームに分かれての振り返りを受講生同士で行いました。1回目はランダムに分かれて、2回目は講義回ごとに作成したルームへ受講生自ら移動する形で行いました。受講生からは「前の講義のことを忘れていたが、みんなで思い出しながら話しをしました。」「SDGsというものはそもそも本質的に大事なことだが、今の活動だけを見ると少しお題目的になっているのでは。」「SDGsは意外と身近なものであって、特別なことをするものではないにも関わらず、SDGsという言葉が出ているがために特別視されている感じがあるのは否めない。」と、様々な意見や感想が出ました。

また、この授業は講師が出す課題(問い)に対して作品を制作することも特徴の一つですが、「社会課題を何らかの表現に繋げるというプロセスが難しく、また社会課題の深刻さを目の当たりにすると課題制作になかなか結びつけられなかった。」「頭を悩ませ締め切りに追われながら作品制作をする事がとても楽しかったです。」など、こちらも様々な感想をいただきました。

次回はいよいよ最終回、最終課題の制作発表会となります。

講師プロフィール

東京藝術大学 教授

伊藤 達矢

東京都美術館×東京藝術大学「とびらプロジェクト」や、「共生社会をつくるアートコミュニケーション共創拠点」の企画運営など、多くの事業を手掛ける。

東京藝術大学 特任講師

田中 一平

東京藝術大学美術学部 先端芸術表現科卒業。同科修士課程修了。
2011年より同科教育研究助手・助教を経て、2018年度より、本プロジェクトに就任。青森県八戸市「八戸工場大学」(2013年)、栃木県益子市「土祭2014」などのアートプロジェクトに参加。廃材をリユースし家具製作をする「ProjectRECON」の立上げや、金属などを用い作品の制作を行なっている。