
① DOORを受講しようと思った理由を教えてください
私は福祉職の傍ら、個人活動で間借り喫茶東寺舎TOUJISHAというセルフケアをコンセプトにしたカフェをしています。そのカフェをいずれは多様な人々が気兼ねなく集まり、様々な機能を持たせた面白い場所にしたいと考えていました。しかし、それを実現するには、教育や長年の社会生活によってこびり付いたガチガチの固定観念、常識や当たり前といった思い込み、そのようなものに支配され柔軟性を失っている自分を変えないといけない事に気が付きました。
その固定観念や思い込みを払拭するような経験をしたい、でも何をしたらよいかわからない、よくわからないがインドに行ってみる?そんな時にたまたまネットでDOORの学びを知り、それが応募締め切りの1週間前くらいだったと記憶しています。すぐに書籍を購入し、登壇する講師の幅広さや授業内容が革新的で面白く一気に読み終え、これを学びたいと大急ぎで履歴書とこっぱずかしい小論文を書き上げ送信しました。学びを終えた今、間借り喫茶東寺舎は多様な人々が集まる場だけでなく、私の自己表現の場として場所を変えながら、今後は企画展示、当事者やアーティストを招いたワークショップ、哲学カフェなど、企画したいことやりたいことが源泉かけ流しのごとく湧き出ております。

間借り喫茶東寺舎TOUJISHAの様子
② 印象に残っている講義や実習について教えてください
沢山の面白い講義の中から選ばなければならないのでしたら、初日の講義、ダイバーシティ実践論の真下貴久さんの講義です。真下さんはALS(筋萎縮性側索硬化症)の当事者です。進行性難病である彼の講義は、事前に準備していたスライドの上映、後半の質疑応答では、我々受講生からの質問に対し、視線入力での回答やヘルパーさんを介したやりとりがありました。彼からの応答を待つ時間は、普段自分が生活している慌ただしい時間の流れとは全く異なりました。それが良いとか悪いとかではなく、待つということ、当事者の心情を想像し、コミュニケーションの量や質、種類や機能とは何かなど、あらためて考える機会をいただきました。
また、彼の授業を受け、私はこれからもっと色々な生き方の人に触れてみたいと思うようになり、新年からALS当事者の方のヘルパーに挑戦することを決めました。(個人活動も継続します)DOORは私の人生の一部を変えてしまったのです。
また、折角東京藝大で学んでいるのだから、対面授業も受けたいと思いました。DOOR特講のクロッキーは藝大の大石膏室に入ることができるのです。それは感動しましたし、藝大の学びから、目には見えない物事をみること、本質を捉えることを学んだような気がしています。
※DOOR特講「クロッキー」の会場は年度ごとに変更する場合があります。
③ 仕事や生活とDOORプロジェクトの両立について聞かせてください
私は青森県に住んでいるため、オンラインでの受講が基本で、選択科目の人間形成学総論も全てオンラインの講義で助かりました。提出課題は前期修了と後期修了のみ、毎回講義受講後の感想シートは任意のため、最低限の単位取得するには兎に角講義に出席することなので、忘れず時間に間に合うようにリマインダーセットし、受講すれば仕事をしながらでも無理なく学ぶことが可能です。(しかし、これはあくまでも最低限の話であり、受講したら感想シートを提出するのが講師の方への礼儀であり、絶対アウトプットになるし良いに決まっているのです。提出しましょう!なんかすみません!)
このDOORの学びは、一般的な大学の単位認定試験やレポート提出などの難しさとは異なる物だと思っています。講義に明確な解答は無いので、受講生各々が解釈し自分の中に落とし込む、それを今後どのように活かしていくのか。受講生によってDOORから得る学びは全く違うものかもしれないと思うのです。

「人間形成学総論」授業内で行ったワークショップ「マイ・ミュージアム・ボックス」の提出物 タイトルは「本にはさまっていた栞たち」

