竹中葉菜さん(7期生)
会社員/2023年度受講/東京都在住
ここが始まりだと思いました

①DOORプロジェクトへ参加した(知った)きっかけ

私は、普段広告会社で働いています。その理由は、世の中の目線を変えることで社会の課題を解決したいと思ったから。就活のときに「広告は病気を治すことはできないけれど、その病気を受容する社会をつくることができる」という話を聞いたのがきっかけでした。

背景には、学生の頃、父をALSで亡くしたことがありました。何もできないまま動けなくなっていく父を前に感じた無力感が、私の強い原動力になりました。

 

でも、強い思いを持っていたけれど、いざ働きはじめると、そればかりではないのも事実でした。日々に忙殺されてなかなかやりたいことへ時間をつくることができない葛藤をずっと抱えていた中本屋で「ケアとアートの教室」に出会い、DOORを知りました。

 

やりたいという意思が先行していたものの、私は何もケアのことを知らない。そう感じ、まずは、社会にある課題を知ることが、自分がやりたいことを叶える1歩目だと思い、勢いのまま飛び込みました。

 

②印象に残っている講義や実習

正直毎回の講義が発見の連続でした。知らないだけで、世の中にはこんなに沢山の課題があるのか、と毎回授業後は途方に暮れる思いでした。同時にこれまで私が居た毎日が、どこか空疎なものにも見えました。

 

中でも最も注力したのは「ケア実践場面分析演習」。実際の現場を見て、感じたいと思い、受講を決め、実習では児童養護施設へ何度も伺いました。ホームでは、沢山の子どもたちに出会いました。

当初は、何かをしてあげるんだ!!と意気込んでいましたが、違いました。

子どもたちは何も直すべきことなんかなくて、変わるべきは社会の方だと、現場を見て改めて感じました。

辛くて暗くて可哀想だというイメージが無関心を生んでいて、自分とは別だと感じてしまう。どんな課題においても、ここを変えていくことが、たった唯一自分にできることかもしれないなと、現場で山積みの課題を前に、思ったのでした。

実際に創作では、絵本をつくりました。子どもたちの子どもらしさを沢山詰め込んで、少しでも児童養護施設へ目が向くきっかけになればとの思いでした。

 

この講義を通して、やりたいことが少し明らかになりました。ここが始まりだと思いました。細々とでも、この講義での繋がりを続けていきたいと思っています。

 

③仕事/生活/学業とDOORプロジェクトの両立について

時間的なところはやや工夫が必要でした。仕事の時間が調整できず、なかなか思ったように講義を受けられないこともありました。そういった時は、アーカイブ動画が助かりました。土日のまとまった時間で、過去の講義も含め、自分のペースで続けることができました。

実習はチームのメンバーに恵まれ、相談をしながら無理のないペースで取り組めました。

 

時間以外の面では、仕事/生活/学業が相互に影響しあっているなと感じる瞬間が沢山ありました。仕事では、講義や実習で学んだ視点が着眼点となって、今までとは違う切り口で企画を考えることに繋がったり、暮らしの中では、気になる本やニュースの幅が広がりました。

講義でもいろんな職種の人と関わることができて、1年間両立を頑張るぞ!というよりは自然と連動しながら楽しめたように思います。