藤原雄太さん(7期生)
(会社員/2023年度受講/東京都在住)
見えない世界の見える化をしてくれる時間でした

①DOORプロジェクトへ参加した(知った)きっかけ

DOORのテーマは、アート×福祉です。人々の豊かで充実した人生を送るうえで必要なアートと日々の生活において見えているようで見えていない世の中を可視化してくれる福祉をテーマにした講義。これらについてDOORを通じて考えることで、私たちの生きている現代社会、そしてこれからの社会が目指す豊かさについて考える機会になればいいなと思ったことが参加したいと思ったきっかけです。

DOORの公開講座に参加して、日頃の社会人生活では出会わない講師の方や受講生との出会いによる発見や学びがある場だと感じました。自分にとってDOORが「未知の世界への入り口」になるなというワクワクした感情が湧いてきて、参加を決めました。1年という受講期間や授業時間帯など社会人として仕事を続けながら学べるカリキュラムであることも決め手でした。

 

②印象に残っている講義や実習

まず一つ目は、必修科目のダイバーシティ実践論・ケア原論です。毎週様々な方面で活躍されているゲスト講師の方が登壇して講義をしてくださいます。DOORのテーマは、アート×福祉ですが、私は福祉業界とは全く異なる業界に勤めており、参加する前はその点が不安でした。しかし、講義でテーマとなる「福祉」は「幸せ」や「豊かさ」という文脈で語られており、現代の福祉をより広い視点で捉え直す、藝大らしいカリキュラムとなっています。福祉業界の講師の方や障がいのある当事者の方のみならず、弁護士や大学教授、官公庁職員、ジャーナリスト、建築家、芸術家など多種多様な講師の方々による様々な角度からの講義は「多様な人々が共生できる社会」とはどんな社会だろうかと考えるきっかけになりました。私にとって必修科目のダイバーシティ実践論・ケア原論は、普段ニュースで見聞きするような、知っているものの詳しくは知らない世界への入り口であり、見えない世界の見える化をしてくれる時間でした。

そして二つ目は、選択科目のドキュメンタリー映像演習です。映画監督の先生に撮影手法や映像表現を教えていただきながら、フォールドワークも交えて、ドキュメンタリー映像の作品をチームごとに作る実習でした。オンラインの必修科目とは違い、対面授業が多い授業でしたが、だからこそ受講生同士や先生との距離感も近く、受講生の中には映画監督になりたいという藝大生も参加していました。

 

③仕事/生活/学業とDOORプロジェクトの両立について

必修授業も選択科目もしっかり出ていましたが、仕事やプライベート、資格勉強との両立は無理なくできました。

毎週月曜日夜の必修授業に関しては、オンライン受講のため、月曜日の夜は早めに仕事を切り上げることで、参加していました。早めに帰宅できた日は自宅から受講し、少し帰る時間が遅くなってしまった日は、通勤電車の車内や会社近くのカフェで受講しました。オンラインで受けられる選択科目から対面授業が多い選択科目など様々な授業がある中で、私が選択した選択科目は、土日での対面授業が多い授業でしたが、約1~2か月に1回のペースで藝大のキャンパスで学べたことは自分にとって日常生活から切り離されたいい気分転換になりました。

(2023年12月 トークセッション収録より)