① DOORを受講しようと思った理由
私の母は63歳で亡くなりました。お出かけ好きの母が病院から出ることができなくなり、悲しそうに涙していた姿が忘れられず、母と同じように自由に外へ行けない人に向けた出張美術館を始めたいと思っていました。とはいえ、介護や福祉に関する知識のない自分が、想いだけで行動してしまうと、対象者を傷つけたり邪魔をしたりと、不利益を与えかねません。自己満足にならないためにも知識が欲しいと考えていたところ、まさにど真ん中の書籍「ケアとアートの教室」を発見。DOORを受講することで抱えている不安解消とともに、新たな発想も生まれるのではないかと考え、受講を決めました。
② 印象に残っている講義や実習
DOOR特講の『クロッキー』です。座学もとても素晴らしいのですが、手を動かす感動は大きかったです。美大を卒業して25年。学生の時とは違った価値観と感覚で描くことができました。上手く描くことよりも向き合って描くこと。人の美しさや愛しさを改めて感じることができました。また、様々な専門性を持った受講生が集まっているからこそですが、描く人によって異なる捉え方や注目点、アウトプットに現れる個性なども興味深かったです。多様性は個人にのみ宿るのではなく、捉える人々によって更に多様性が生まれるのだなと気づかせてもらいました。
③ 仕事、生活、学業とDOORとの両立について
香川県と東京都の二拠点生活をしているので、対面授業のタイミングに東京に居られるよう、スケジュールを調整しました。オンライン授業は新幹線や電車の中で受けることも多かったのですが、昨今どこへ行ってもWi-Fiがあったり、電波も安定しているので困ることはありませんでした。携帯とイヤホンがあればどこでも受講できる時代に感謝です。また、夫も息子も、受講に対して協力してくれ、オンライン授業を受けている時には夕食を作ってくれたりして、言葉だけではなく具体的に助けてくれたおかげで安心して受講ができました。