田勢俊明さん(5期生)
(団体職員/2021年度受講)
全国の同じモチベーションを持つ仲間たちと出会えました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

①DOORプロジェクトへ参加した(知った)きっかけ

元々アートと福祉に興味があったのですが、福島県の猪苗代町のはじまりの美術館でDOORのチラシを見て、自分の興味にドンピシャですごく面白そうだと思ったことです。当時は地元の食品メーカーでマーケティングやデザインの仕事をしていたのですが、福祉業界への転職も考えていて、そのきっかけや専門的な学びをDOORで得たいと思っていました。受講生の中にはアートや福祉の現場で働いてる方もいらっしゃると思い、そういった繋がりもできればと思っていました。チラシを見たときは募集締め切りが過ぎていたんです。残念だな、また来年かなと思っていたのですけれど、ネットで調べたら2次募集をやっていて、これは自分のために延長してくれているんだと思い、即申し込みさせてもらいました。

 

②印象に残っている講義や実習

特に心に刺さった授業はアートプロジェクト実践論です。京都のみずのき美術館のキュレーターの奥山理子先生の授業です。奥山先生はキュレーションだけではなく、アートプロジェクトを通じて地域社会を開いていくような活動も多数されている方です。これまでの経緯やプロジェクトのコツ、そして現場での失敗、そういったものを含めて自らアートプロジェクトを運営してきた当事者として、すべてさらけ出して教えていただきました。授業では全国のアートプロジェクトを調査するワークや美術家の小山田徹さんのトークイベントもあり、多角的にアートプロジェクトを知ることができました。奥山先生自らの経験と知見をしっかりと伝え、次に繋げていこうという熱意と姿勢に本当に感銘を受けました。その後、受講生同士でみずのき美術館に見学に行き、実際に生の作品を鑑賞して奥山先生からさらに深くお話を聞いたりもできました。

 

③仕事とDOORプロジェクトの両立について

講義の日までに仕事を早めに片付けたり、家庭でも早めに帰宅して家事をこなして授業に着くとか、そういったことで授業を受講することができました。結局はどれだけ本気になれるかということなのかなと思います。受講が始まってから予想以上にのめり込みましたし、実際に価値があるプログラムだと心底思うんです。私は福島県在住なので、ほぼオンラインでの受講でした。授業で藝大のキャンパスには一度しか行ったことがありませんが、そこに制約や不足を感じることはなく、実際に講義室の最前列で授業を受けているような感覚でした。全国の同じモチベーションを持つ仲間たちと出会えたというメリットをオンラインでの受講で強く感じています。

DOOR全体を通して、ある授業を受けて学んだことが他の授業でも自分の中でリンクしていくようなことがよくありました。単発のセミナーなどだとどうしても一過性で、自分の中に残るものが薄い感覚があったのですが、DOORではいろんな授業のエッセンスが自分の深い部分に残って一つの塊になっていくイメージがあり、とても興奮する楽しい体験でしたね。授業後に受講生同士でZoom上で集まって授業の感想や意見などをディスカッションする場を作って、そういった繋がりもどんどん濃くなっていきました。皆さんにもぜひDOORをノックして、新しい学びと新しい仲間を作っていただければ良いなと思います。

 

(2022年1月24日 公開講座トークセッションより)