• DOOR特別講義
  • DOOR特講
2024
10/19

人体デッサン

講師: 伊藤達矢(東京藝術大学 教授)/田中 一平(東京藝術大学 特任講師)
DOORプロジェクトのテーマである「ケア×アート」の視点から、人体をよく観察し理解することを目的に人物デッサンを行いました。造形的な視点、ケアの視点などを横断し、より総合的に「人体(人)」への理解を深めることを目指します。

|日  時:2024年10月19日(土)、20日(日)※いずれかの1日に参加
|時  間:13:00〜17:30
|場  所:東京藝術大学 絵画棟1F 大石膏室
|授業進行:
・ガイダンス、画材の使い方、デッサンの方法など(30分)
・クロッキー[3ポーズ](30分)
・デッサン(3時間)
・総評・振り返り(30分)

DOORプロジェクトの特別講義「人体デッサン」は今年も過去最大人数での開催となりました。
初日は伊藤先生、2日目は田中先生が講師を担当しました。
初めてデッサンを体験する受講生や、藝大を訪れるのが初めてという方も多く、緊張感のあるまま講義がスタートしました。
講義の前半は、受講生同士が交代でモデルとなり、6分間ずつのドローイングを行いました。
ポーズをつけて立ってみる、床に座る、椅子に座る。
ドローイングは、限られた時間の中で対象の形を捉え、画面にその全体像を収めることが求められます。
こだわりたい部分を抑え、短い時間で全体の構図をつかむ練習は、後半の人体デッサンに入る前に良い準備運動となりました。

ドローイングが終わったところで講師から木炭の使い方のレクチャーがあり、モデルを描く本番の人体デッサンが始まりました。
木炭と画用紙が擦れる音だけが響く静かな石膏室で、約3時間かけてじっくり観察して作品を仕上げていきました。

今回、指導に加わった現役藝大生たちも受講生一人ひとりに寄り添い、的確なアドバイスをしながら完成へと近づけて行きました。
20分ごとにある休憩時間は受講生同士でお互いの作品を見て、客観的な意見を交換し、また自分の作品に反映させていく作業の繰り返しです。
最後は全作品を並べて講師からの講評があり、授業は終了しました。

デッサンを通じて得られた「観察」の力は、芸術だけでなく日常や他分野にもつながる大切な視点です。
これからデッサンを勉強したいという方やこの視点をこれからの生活に落とし込んでいきたいと話してくれた受講生もいました。

 

講師プロフィール

東京藝術大学 教授

伊藤達矢

東京藝術大学大学院修了(博士号取得)。専門は美術教育。アートプロジェクトのディレクションなど、多様な文化プログラムの企画立案に携わる。共著に『ミュージアムが社会を変える〜文化による新しいコミュニティ創り』(現代企画室)、『美術館と大学と市民がつくる ソーシャルデザインプロジェクト』(青幻舎)等。

東京藝術大学 特任講師

田中 一平

東京藝術大学美術学部 先端芸術表現科卒業。同科修士課程修了。
2011年より同科教育研究助手・助教を経て、2018年度より、本プロジェクトに就任。青森県八戸市「八戸工場大学」(2013年)、栃木県益子市「土祭2014」などのアートプロジェクトに参加。廃材をリユースし家具製作をする「ProjectRECON」の立上げや、金属などを用い作品の制作を行なっている。