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2024
10/14

とびらプロジェクト × DOORプロジェクト交流講義「クロッキー」

講師: 田中 一平(東京藝術大学 特任講師)/小牟田 悠介(とびらプロジェクト / Museum Start あいうえの /Creative Ageing ずっとび プロジェクトマネジャー)
東京藝大の石膏室にて、DOOR特講「クロッキー」が開催されました。本授業はとびらプロジェクト(※)との交流講義なので、参加者はDOORプロジェクトの受講生ととびラーです。総勢96名の大人数で授業を行いました。

まずは、午前中に「事前レクチャー」を講義室で行いました。小牟田先生からとびらプロジェクトについて、藤原先生からDOORプロジェクトについての概要や活動内容についての説明を聞くことで、互いのプロジェクトを知り、また自身の関わっているプロジェクトへの理解を深めていきました。

昼食の時間を学内外で各々過ごした後は、いよいよ「クロッキー」の時間です。まずは、田中先生と小牟田先生によるレクチャー「クロッキーとは」です。この授業では上手に描けるようになることを目指すのではなく、とびらプロジェクトのテーマ「鑑賞」とDOORプロジェクトのテーマ「ケア」を軸にすえ、描くことにより見る力を養うことを目的としているというお話でした。クロッキーがどういうものかについては、実際に手を動かしていく中でつかんでいきます。4〜5人ごとにグループをつくって輪になり、先生からのユニークな指示に驚きながら、決められた時間で一人ずつモデルになりどんどん描き合っていきました。

休憩後はミロのヴィーナス像の前に集合し、レクチャー「プロポーション」からスタートです。全員でヴィーナス像と同じポーズをとりながら、どう重心を取っているのかや部位同士の関係性などを考えました。続くクロッキーでは先ほどと違う4〜5人でグループになり、また輪になってモデルになり合いながら描きます。ミロのヴィーナスになりきったり、小道具として配られた傘に重心をかけたポーズをとったりと、後半のお題もユニークなものばかりでした。最後に一対一で会話をしながら描き合い、クロッキーの時間が終わりました。

感想共有の時間では、後半のグループ内で「お気に入りの一枚」を見せ合いました。皆さん自分が描いたクロッキーを楽しげに出し、改めてポーズをとったりなどしつつ話しているのが印象的でした。

人をよく見ること、描くこと、モデルになること、そしてそれらの合間にとびラーと交流することは受講生にとって大きな刺激になったかと思います。今回の授業で体験し知ったことや生まれた繋がりを今後に活かしてもらえたらと思います。

※とびらプロジェクト https://tobira-project.info/about/

講師プロフィール

東京藝術大学 特任講師

田中 一平

東京藝術大学美術学部 先端芸術表現科卒業。同科修士課程修了。
2011年より同科教育研究助手・助教を経て、2018年度より、本プロジェクトに就任。青森県八戸市「八戸工場大学」(2013年)、栃木県益子市「土祭2014」などのアートプロジェクトに参加。廃材をリユースし家具製作をする「ProjectRECON」の立上げや、金属などを用い作品の制作を行なっている。

とびらプロジェクト / Museum Start あいうえの /Creative Ageing ずっとび プロジェクトマネジャー

小牟田 悠介

東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻修士課程修了。
絵画、立体、インスタレーションを手掛ける現代美術作家。近年では空間や場所との関係性による作品の在り方に関心を広げ、ベネッセアートサイト直島「家プロジェクト」I邸(2014年、犬島、岡山)でのインスタレーション作品をはじめ、「GENBI SHINKANSEN (現美新幹線)」(2016-20年、上越新幹線 臨時列車「とき」12号車内)、陸前高田市でのプロジェクト等に積極的に取り組む 。主な展覧会に、2024年 個展 「Unfolding Structure」(Gallery Zink,ドイツ )、2021年 個展「新しい天体」(SCAI THE BATHHOUSE、東京)、2019年 個展「space | aspec」(PARCEL、東京)、2016年「Lines of Flight」(Gallery EXIT、香港)、2016年「瀬戸内国際芸術祭2016」(「家プロジェクト」I邸、犬島、岡山)、2015-16年「Breaking through to the actual via the imagination: Long museum collection show concept by Yuko hasegawa」(龍美術館、上海)、など。