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2023
10/21

人体デッサン

講師: 伊藤達矢(東京藝術大学 特任教授)/田中 一平(東京藝術大学美術学部 特任助教)
DOORプロジェクトのテーマである「ケア×アート」の視点から、人体をよく観察し理解することを目的に人物デッサンを行いました。造形的な視点、ケアの視点などを横断し、より総合的に「人体(人)」への理解を深めることを目指します。

|日  時:2022年10月21日(土)、22日(日)※いずれかの1日に参加
|時  間:13:00〜17:30
|場  所:東京藝術大学 絵画棟1F 大石膏室

人体デッサンは藝大の大石膏室で開催される1年に1度の特講で、今回は過去最高人数での開催となりました。
冒頭で伊藤先生による画材のレクチャーがあり、まずは受講生が交代でモデルになり、8分間のドローイングを3回行いました。ここでの目的は、手を動かして描いてみること、こだわりたい細部の書き込みをぐっと堪えて短時間で大枠を捉えて完成系に近づけることです。
デッサンは未経験者や、藝大に来るのが初めてという人が少なくない中、ドローイングの時間で皆さんだいぶ緊張がほぐれたようです。
次は、いよいよ木炭を使った本番のデッサンです。
ここで、伊藤先生より改めて木炭の使い方についてのレクチャーがありました。
本番のデッサンでは、休憩を挟みつつ、プロのモデルの方を3時間かけて描きました。伊藤先生からは、繰り返し「1つの線を引くためには10観察が必要」という言葉がありました。
私たちは人間のある程度の形を知っているが故に、十分に観察しているつもりでもそこには思い込みが介在しているということに気がつきません。ですが、よく見てみると人間は相当複雑な形をしていて線1本では到底表せません。
一部分を描くにも形、奥行き、濃淡など観察しなければいけないところがたくさんあります。
この「観察」は、ケアや福祉の分野においても大切なことですが、他分野の仕事からや日常にまで結びつくことでもあるとを想像した人が多くいたのではないでしょうか。

 

|授業進行
・ガイダンス、画材の使い方、デッサンの方法など(30分)
・クロッキー[3ポーズ](30分)
・デッサン(3時間)
・総評・振り返り(30分)

講師プロフィール

東京藝術大学 特任教授

伊藤達矢

東京藝術大学大学院修了(博士号取得)。専門は美術教育。アートプロジェクトのディレクションなど、多様な文化プログラムの企画立案に携わる。共著に『ミュージアムが社会を変える〜文化による新しいコミュニティ創り』(現代企画室)、『美術館と大学と市民がつくる ソーシャルデザインプロジェクト』(青幻舎)等。

東京藝術大学美術学部 特任助教

田中 一平

東京藝術大学美術学部 先端芸術表現科卒業。同科修士課程修了。
2011年より同科教育研究助手・助教を経て、2018年度より、本プロジェクトに就任。青森県八戸市「八戸工場大学」(2013年)、栃木県益子市「土祭2014」などのアートプロジェクトに参加。廃材をリユースし家具製作をする「ProjectRECON」の立上げや、金属などを用い作品の制作を行なっている。