DOORの実習から生まれた活動〜「小さな悩み、はじめました。」を、続けました。
年々上昇傾向にある家庭内での児童虐待。
そうした実際の状況や、保護された子どもの生活などを知るため、保護所併設型の千葉市児童相談所へ取材*1を行った。寄せられる相談の中には命を奪うほどの虐待に至るケースもあれば、子育てに関する小さな悩みまで様々らしく、職員の「小さな悩みのうちに相談できれば、大事に至らないのではないか」という言葉が印象的であった。
だから私たちは、どんな悩みでも、誰でも発信できることが、子どもを取り巻く環境のSDGsにつながると考えた。わざわざ人に話すほどでもない「小さな悩み」。いつの間にか入ってる「スマホの中の意味のない写真」。どちらも誰もが持っているけれど、何かの役に立つものとは思われていない。私たちはこれらを豊かな資源と捉え、一冊の小さな作品『小さな悩み、はじめました。』を制作した。
そして、本プロジェクト『「小さな悩み、はじめました。」を、続けました。』では、ZOOM上でつながった参加者同士の共感へと再利用するサステナブルなワークショップ一連の活動を、アートプロジェクトとして位置づけている。
人間にとって悩みは普遍的だからこそ、悩みは共通言語になりうる可能性を秘めているのだ。
協力:DOOR、千葉市児童相談所
*1 DOORの授業、「ケア実践場面分析演習」の実習として千葉市児童相談所に赴き、取材を行い、作品として「小さな悩み、はじめました。」を制作した。
『小さな悩み、はじめました。』を続けました。
プロジェクト公式SNS:
*本企画は東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト(2021年度)の助成を受けて実施しました。
東京藝大「I LOVE YOU」 https://iloveyou.geidai.ac.jp/
*SDGs×ARTs展(2021年7/22-8/31, 東京藝術大学大学美術館) に出展しました。 https://www.sdgsarts.geidai.ac.jp/
■プロフィール
小さな夢、はじめました。
(宇野好美、加藤イオ、佐相友里子、中島優子)
東京藝術大学が主催するDOOR(Diversity on the Arts project)第4期修了生の4人。子どもを取り巻くケアの現場をより社会に開かれた場とする方法を考えるための実習「ケア実践場面分析演習」(2020.10~2021.1)において、共同制作を行った作品「小さな悩み、はじめました。」の活動を展開するグループ。
■実習先:千葉市児童相談所
児童相談所とは、子どもに関する総合相談窓口で、18歳未満の子どもに関することであれば、どんなことでも誰でも相談可能。その他、里親の登録に関する手続きなども行っている。「一時保護所」は虐待の疑いがある子どもを緊急的に保護する施設。