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2022
7/9

ケア実践場面分析演習①ガイダンス

講師: 金野千恵(建築家/teco)
ケア実践場面分析演習の1回目、ガイダンスの様子をお伝えします。

この授業は「現場を伝えるをつくる」をテーマにし、受講生が数人のチームとなり、実際の福祉の現場へ伺います。そこで活動する皆さんを取材・実習をさせていただき、最後に作品として発表します。誰に何を伝えたいかを考え、プロセスを大事にして制作に臨みます。12月には実践や発表を行い、最後には、作品展示を行います。

2020年度からは「子どもたちの生きる環境」に焦点を絞り、授業を行なっています。1回目の授業では、まずこの授業を担当される金野千恵先生から授業の説明や前年度までの歴史のレクチャーがありました。そして、児童相談所児童福祉司と児童心理司のお二人をゲスト講師に迎え、お話を伺いました。

ご自身が里親でもある福祉司の方には「児童相談所と里親」をテーマにレクチャーしていただき、児童相談所の職員としての視点、里親としての視点、社会的養護が必要な子どもたちがおかれている環境について、お話いただきました。

心理司の方には、普段のお仕事や役割、日常的な子どもたちとの関わり方についてお話いただきました。どのような傷つきの体験があったのか、子どもから丁寧に話を聞いたり、心理検査を行なったりするそうです。家庭だけで悩みを抱え込む前に、地域や支援団体に繋がってほしいという想いも聞くことができました。

質疑応答の時間では、「これからどのように子どもたちと関わったらいいか?」という受講生からの質問に対して、「対等に、自分がまずリラックスして一緒に過ごす時間を楽しむことが大切」というアドバイスをいただきました。

最後のまとめでは、金野先生の「対象化しすぎない」(観察者・対象者という関係ではなく)という言葉が印象的でした。

後半は、授業の進め方のレクチャーとスケジュールの説明、そして各実習先の紹介・チーム分けを行いました。

今年度は「子どもたちの生きる環境に関わられている」6つの実習先へ取材・実習をさせていただきます。
個人、ご家庭、団体、施設など6つの実習先について説明をし、その場で受講生の希望に基づき実習先を決めていきました。

チームに分かれた後は、連絡係や記録係などを決めるミーティングを実施。
自己紹介のシートを制作し実習先の方にお渡しするところから実習先とのやり取りが始まります。

次回の中間発表までに、実習の記録などをスライドにまとめていきます。
今年もどのような作品・学びが生まれるか楽しみです。

2022年度実習先(敬称略):COCO PORTA(ココポルタ)、養子縁組ご家庭、川瀬信一氏、社会福祉法人チルドレンスパラダイス子山ホーム、マザーズコンフォ―ト、ベストサポートITSUMO

講師プロフィール

建築家/teco

金野千恵

1981年 神奈川県生まれ。2011年 東京工業大学大学院博士課程修了、博士(工学)。2015 年 t e c o を共同設立。2021年より、京都工芸繊維大特任准教授。住宅や福祉施設の設計、まちづくり、アートインスタレーションを手がけるなかで、仕組みや制度を横断する空間づくりを試みている。主な作品に住宅「向陽ロッジアハウス」、複合型福祉拠点「幼・老・食の堂」(2017)、認可保育園「カミヤト凸凹保育園」(2019)、複合型福祉拠点「春日台センターセンター」(2022)など。