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  • ケア原論
2018
12/8

アートとしてのケア技術2

講師: 矢田明子(Community Nurse Company株式会社 代表取締役)
今回の講師は、コミュニティナースPJの代表として活躍されている矢田明子さん。 矢田さんがコミュニティナースの実践をしていこうと思ったきっかけは、27歳の時にお父様が亡くなったことでした。病気に気づいた時には全身に癌が転移していて数ヶ月後に亡くなった父を見て、矢田さんは後悔します。 それと同時に病院で出会ったような看護や予測の知識がある人達が父が普段関わっていた場所にいてその変化を気づくきっかけがあったら、違う未来があったのかもしれないと思い一念発起して看護大学への進学を決意します。 予備校費用を用意するため、3人の子供がいた矢田さんはヤクルトレディーの職に就きます。その時の、ヤクルトレディの健康に意識的でない人たちに健康を意識させ、商品に興味を持たせるという関わり方に大きな気づきを得たといいます。 大学に進学した矢田さんは、自身の思いを「コミュニティナース」としてかたちにしていきます。大学の同級生達と町のイベントに出て町の人たちと交流するなど、在学中から活動していきます。 その後島根県雲南市の色々なバックグラウンドの人たちと共に雲南にある課題意識を持ち込んで起業支援を行う「幸雲南塾」に他分野の知識を求めて参加します。 修了後は育成支援であるNPO法人「おっちラボ」を設立。 創業支援をしながらコミュニティナースの考えをコミュニティナースだけでなく様々な業種で実践していきます。 その活動を振り返り、食堂を運営しながら健康相談にのるなどといったケア領域じゃない人達をダイナミックに巻き込んでいくことが大切と話す矢田さん。食堂や移動販売、ガソリンスタンドなど、今までケアのの認識も機能もしてなかったようなところがどんどんとケア機能を発揮して行くのがコミュニティナースの特徴といいます。 短期的に健康度が上昇を求めるのではなく、長期的な意識向上やケアの担い手が社会に広がっていき、それが結果的に社会をケアしていく活動は、現在コミュニティナースPJとして継続され、雲南市にとどまらず多くの地域で実践・実践者育成が行われています。 自分の健康を考えた時、普段の会話から自分自身の身体を変化に気づけることは何気ないようでとても重要だと思います。それを普段の身近な人たちと楽しく生活の中に溶け込んでいるコミュニティナースですが、まず自分自身も小さなお節介として健康を気遣える関係性を築いていきたいと思いました。

講師プロフィール

Community Nurse Company株式会社 代表取締役

矢田明子

2014年島根大学医学部看護学科卒。
島根県雲南市立病院企画係保健師、NPO法人おっちラボ副代表理事、株式会社CommunityCare取締役、Community Nurse Company 株式会社 代表取締役、島根県総合発展計画策定委員。
島根県雲南市が主催する課題解決人材育成事業(幸雲南塾1期:2011年)で地域に飛び出す医療人材によるコミュニティ作りを提案。
それをもとに医療人材を含む町づくり関係者を体系的に育成するプログラムを立ち上げ、13年より東京大学医学部のサマープログラムに認定される。
2013年より、雲南市内の幸雲南塾企画運営を行い、ケア領域の人材を含む多様な人材の育成、プロジェクトの組成、起業支援を行う。
2016年からコミュニティナースプロジェクトを立ち上げ講師を担当。全国に100名以上の人材を送り出している。
島根県出雲市出身。