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2018
11/10

アートとしてのケア技術1「看護・介護とは何か / ケアは何を、どう、行うのか?」

講師: 金井一薫(徳島文理大学大学院看護学研究科 教授)
ケアの原型をナイチンゲールにみて、講義を進められました。
一般的なナイチンゲールのイメージは、自己犠牲、献身といったものが
多いかと思いますが、その実像は大きく異なり、「犠牲の精神では看護はできない」と言っていたそうです。
看護の現場で実践していたのは2年半ほどで、50年間はほとんどベット上の生活をし、
ベットサイドで打ち合わせをしながら、社会の指導者を動かしたそうです。

介護と看護は資格は違うが、原型は変わらない。
介護が人間の暮らしを支えることに自らの実践の主軸を置くかぎり、
介護の本質は看護の本質と何ら変わることはない、という言葉を紹介されました。

生命力の消耗を最小にし、その人の持てる力の活用を促す。
そのためには「快なる状態」を作り出すことが重要ということでした。

本質が同じ看護と介護。生活を創ることがケアの本質であり目的です。
ケアは医学の視点と異なり、生活の処方箋を描き、病気の成り立ちや回復のシステムを知ること。
そして、いのちの本質を通してケアのあり方を探ることだと続きます。

生命力の消耗を最小にするように、生活過程を整えること。
その人の今の生命の姿を、ケアの視点で見つめることが必要である、と語りました。

講師プロフィール

徳島文理大学大学院看護学研究科 教授

金井一薫

金井 一薫 (かない ひとえ)

徳島文理大学大学院看護学研究科・教授
東京有明医療大学:看護学部・名誉教授
ナイチンゲール看護研究所・所長
ナイチンゲールKOMIケア学会・理事長

専門分野:基礎看護・介護学、ケアの実践方法論
 研究分野:ナイチンゲール思想研究
 研究業績:Ⅰ現代ケア論としての「KOMIケア理論」の確立
      Ⅱ実践方法としての「KOMI記録システム」の構築

[単著]
『ナイチンゲール看護論・入門』 『 ケアの原形論』(現代社)
『KOMI理論』 『KOMI記録システム』(現代社)
『実践を創る新・看護学原論』(現代社)
『実践を創る新・KOMIチャートシステム』(現代社)

[共著]
『介護概論―新版介護福祉士養成講座11、第2版』
『高齢者・障害者の介護』 (中央法規出版)
『ナイチンゲールって、すごい』(小学館)
 
[編著]
ナイチンゲールの『看護覚え書』ーイラスト・図解でよくわかる!(西東社)
 
[監訳]
『実像のナイチンゲール』、島田将夫・小南吉彦訳(現代社)