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2018
12/1

【制作】取手アートパス

講師: 日比野克彦(東京藝術大学 美術学部長)
今回の授業の舞台となるのは、藝大の取手校地。オープンキャンパス「取手アートパス」にて、「利根の桜の花みこし」のワークショップを行いました。

「利根の桜の花みこし」は、岐阜県美濃市で行われる「美濃まつり」の時に町を練り歩く、桃色に染めた紙の花をつけた300本の「しない竹」をみこしの上に取り付けた華やかな神輿がモデル。利根町を元気づけるために、大人も子どもも誰でも作れ、担いで楽しめるよう日比野克彦がアレンジしました。

当日、取手校地には、受講生、受講生が誘った人、利根町の人々など、80人余の人たちが集まりました。
「ただ制作を行うだけでなく、みんなで風景をつくるんだ。見た人が参加したいと思うような風景。」と日比野さん。
参加者は思い思いの場所に散り、制作を行います。敷物を敷いて子どもたちと作る人、テーブルでお年寄りと作る人。長く長くシートを延ばして、そこに出来上がったピンクの花を敷き詰めてお花の道を作る人もいます。それを見かけた一般のお客さんも次々参加します。
日比野さんは制作場所を巡って受講生や参加者に声をかけます。「何の話をしているの?」
「天気の話」「どこから来たか」「お花を作りかた」「アートパスのこと」「自己紹介」と参加者たち。それぞれの場所で、おしゃべりに花が咲きます。

「しない竹」にお花が取り付けられ「花みこし」が完成したら、参加者全員で校地内を担いでまわります。おみこしを移動させているだけなのに、空中にふわふわ漂うお花を見上げると、不思議と一体感が芽生えてきました。

今後は受講生たちが関係している施設やコミュニティに行き、この「花みこし」のワークショップを行います。それぞれの場所で出会うひとりひとりと、一緒に楽しめる空間と時間を作ることに挑戦します。