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  • ダイバーシティ実践論
2018
4/23

当事者との対話2「ユースの声を」

講師: 坂本歩(IFCA (インターナショナル・フォスターケア・アライアンス) アウトリーチ・コーディネーター)
父母の死亡や養育放棄、虐待等の理由で、家庭で生活できない子ども達を、保護者に代わって社会が養育・保護する仕組みを社会的養護といいます。
坂本さんが所属するIFCAは、日本とアメリカの社会的養護の当事者(児童養護施設や里親家庭で育つ子どもたちや、IFCAを離れて自立した若者)たちの交流と協同を実現するための活動をしています。

里親家庭や児童養護施設は、原則18歳までしかいられず、退所したあとは社会的、経済的にも自立していかなければなりません。2017年度より22歳までに引き上げられましたが、対象者が限定的なこともあり、大学進学を諦めざるをえない方が多いのが現状です。

自分の名前に込められた意味もわからず、親と子供の苗字が違い、幼少期の写真や思い出を持っていない。保険証が発行されない代わりに、受診券(受診料は全額補助)があるが、その存在が知られていないために受診を拒否されることもあるそうです。坂本さんご自身では、小学生時代に、担任が変わるたびに里親・里子制度について説明しなければならなかったそうです。「IFCAでは、これまでの生活の中で直面した課題を自分の言葉で語り、政府(厚生労働省)へ要望する活動をしている。個別の子供たちのニーズや希望が聞ける制度を作り、すべての子供たちが自分の選択ができることが必要」と語りました。

 

手話通訳:特定非営利活動法人ホープ

講師プロフィール

IFCA (インターナショナル・フォスターケア・アライアンス) アウトリーチ・コーディネーター

坂本歩

坂本 歩( さかもと すすむ)

 私は生まれてから乳児院、幼児専門の養護施設、児童養護施設と点々とし、小学一年生の夏から措置延長が終わる20才まで社会的養護のもとで暮らし、2016年9月に里親さんと縁組をしました。
 現在は明治大学総合数理学部現象数理学科というところで数学の教師を目指して勉強しています。様々なところから奨学金を頂き、大学に通うことができています。 「ほいっぷジュニア」というのは地元の里子が集まる会で、私はこの会の代表をしています。ここでは元里子の方から体験談を聞いたり、季節にあった行事などを行っています。またIFCAでは、厚生労働相に要望書を提出するなどアドボカシー運動もしています。
生まれてから23年間たくさんの方々に支えられてきました。 これからはただ支えられているだけでなく自分が誰かを支えられるようになりたいと思い、これからも活動を続けていきます。