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2021
12/6

ダイバーシティ実践論10「詩を書くということ、生きるということ …『詩の礫』から10年、詩とは、芸術とは何か」

講師: 和合 亮一(詩人)
 本講義は、詩人として活動している和合亮一さんから、詩に対する考え方や震災をテーマとした詩「詩の礫」について、和合さんに実際に朗読をしていただきつつお話を伺い、芸術と人生について考えを巡らせる時間になりました。

 和合さんは2011年の東日本大震災以降、地震・津波・原子力発電所事故に見舞われた福島から、twitterにて「詩の礫」と題して連作を発信し続けています。同年5月、オランダの世界的コンサートホールであるコンセルトヘボウへ招致され、詩の礫を朗読し被災地が抱える思いを発信したことから国内外の注目を集めました。

 「詩の礫」について振り返るなかで和合さんは、「被災という体験の最中、悲しみ、怒り、不安、絶望の感情が湧き起こりましたが、その後に訪れたのは"祈り"でした。」と語ります。

 「詩とはアクションである」という言葉をポリシーに創作活動を行っている和合さん。これまでに制作した詩集は 25 冊にも及びます。多くの詩を作り続けていくなかで、「誰かに何かを伝えたいというよりも、あくまでも”自分のために何かを見つけたい”と思うようになってきた」と言います。

創作活動を続けるきっかけとなった人物の一人である、作家の井上光晴氏の「書いて書いて自分を作っていく」という言葉を活動の支えに、今現在も活動を続けています。

講師プロフィール

詩人

和合 亮一

1968年福島県生まれ。
詩集「AFTER」にて第4回中原中也賞、詩集「地球頭脳詩篇」にて第47回晩翠賞、他にみんゆう県民大賞、NHK東北文化賞なども受賞。
2011年、東日本大震災直後の福島からTwitterで連作詩『詩の礫』を発表し続け、同年5月、世界三大コンサートホールであるオランダのコンセルヘボウに招致、朗読にて福島の想いを発信するなど、国内外から注目を集める。
2017年7月、詩集「詩の礫」がフランスにて翻訳・出版され、第一回ニュンク・レビュー・ポエトリー賞を受賞。フランスでの詩集賞の受賞は日本文壇史上初となり、国内外で大きな話題を集めた。
一昨年に詩集「QQQ」にて第27回萩原朔太郎賞受賞。現在、アメリカやイタリアなどで、翻訳詩集の出版の準備中。新聞や雑誌などに連載多数。合唱曲の作詞やオペラ、ラジオドラマの台本も手掛ける。
音楽家・大友良英氏らと「PROJECT FUKUSHIMA!」を立ちあげた。「未来の祀りふくしま」発起人。リーディングパフォーマンスが国内のみならず海外で高く評価されて「サムライリーディング」と名付けられている。