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2021
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ケア実践場面分析演習 各チーム制作 実習先:ファミリーホームF家

講師: 金野千恵(建築家/teco)
<実習先の概要>

祖父、祖母、父、母、長男、長女、次女の7人家族のファミリーホームへ伺う。

※ファミリーホームとは、家庭で育つことが難しいこどもを養育者が家庭に迎え入れて養育する「家庭養護」のこと。児童養護施設等の「施設養護」と里親制度等の「家庭養護」のそれぞれのメリットを掛け合わせた新しい児童養護の形である。

 

<実習の様子・テーマの設定までの道のりなど>

・大事なことは点滴のように少しずつ伝えていることを伺う。

・ファミリーホームや里親になる事は特別な事ではない、自分たちと変わらない存在だという思いと、安易に「普通の家族」として括るのではなく、配慮すべき事、社会的養護の中で私たちが出来ることにきちんと向き合いたいという気持ちになった。

・里親家庭ならではの日常を体験する演劇ワークショップや、カルタ、色が変わるお茶を通じて、里親や里子の気持ちを体験し、今までにない感情や気づきを得て、里親について考えてもらうきっかけにしてもらいたいと考えた。

 

<作品のタイトル>

ファミリーホームF家の日常

 

<作品について(概要・誰に伝えたいかなど)>

【誰に】里親について知らない方、知りたい方へ

【想い】里親ならではの体験をしてもらい、実体験として里親を知ってほしい、「家族」・「普通」について考えるきっかけにしてほしい

【概要】HPから①~③のダウンロードが可能。

①里親・里子の気持ちを考える「演劇ワークショップ」を誰もが実施できるよう、当日の流れ(司会者のセリフ)、お題、役のカードを記載した資料

②ファミリーホームや、こどもをとりまく環境を伝える「かるた」。絵札、読み札、背景となるエピソードが入っている

③「大切なことは点滴のように少しずつ伝える」という里親のエピソードと共に、色が変わるお茶を体験できる資料

 

<全体を通しての感想>

・里親家庭ならではの日々の驚きや、葛藤等も楽しくお話いただき、温かい家庭だと感じ、それを制作物に反映できた。

・一方で、社会的課題まで踏み込んだ制作物となったのか、表面的な事だけ伝わっていないか難しさを感じた。

・捉え方を参加者の考えに委ねた為、人により得られた体験が異なる制作物になった。

・自分たちと変わらない悩みを持っている事を知り里親家庭への距離感が変わった。

・実習先の家族に喜んでもらえ活動を後押しするものができたのは嬉しかった。

・成果物を通して、知人とも里親について会話をする機会が作れた。

 

 

(文責:ファミリーホームF家チーム)

講師プロフィール

建築家/teco

金野千恵

1981 年神奈川県生まれ。2011 年東京工業大学大学院博士課程修了、博士(工学)。2013-16 年 日本工業大学助教。2015 年より t e c o を共同で設立。現在、東京大学、東京藝術大学などにて 非常勤講師。住宅や福祉施設の設計、まちづくり、アートインスタレーションを手がけるなかで、仕 組みや制度を横断する空間づくりを試みている。主な作品に住宅「向陽ロッジアハウス」、訪問介 護事業所「地域ケアよしかわ」(2014)、「幼・老・食の堂」など。
http://te-co.jp