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2021
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ケア実践場面分析演習 各チーム制作 実習先:NPO法人 文化学習協同ネットワーク 「東林間ホッとスペース piece」

講師: 金野千恵(建築家/teco)
<実習先の概要>

運営元の「文化学習協同ネットワーク」(東京都三鷹市、1974年設立)は、子どもたちの学習支援や不登校児童・生徒の居場所づくり、若者の社会参加や就労支援を行っているNPO法人。

実習先の「東林間ホッとスペース piece」(神奈川県相模原市、2013年設立)は、市から委託を受けて、概ね15歳から39歳を対象に、仲間や社会と出会い、学びあいを通して「自分のこれからと出会う場所」として運営されている。

 

<実習の様子・テーマの設定までの道のりなど>

11~12月の2か月間、実習先のpieceを訪問し活動に参加。ゲーム、対話、食育、運営会議(Pサミット)、地域活動(カレンダー配布、歳末セール手伝い)等を一緒に行い、利用者である若者との関係づくりを実施。施設が狭くコロナ対策で2人/回までの訪問制限あり、メンバーで分担・協力して訪問・実習を行った。

テーマ設定は、メンバー4人が案を持ち寄り、利用者・スタッフと協議して方向性を決定。「利用者、スタッフ、地域(東林間商店街)がつながり、みんなが自分らしくいられる居場所」「一人ひとりの個性や、多様性が尊重される」ことを体現する制作物とした。

 

<作品のタイトル>

『はまってもはまらなくてもパズル』

 

<作品について(概要・誰に伝えたいかなど)>

コンセプトは、”ワクに収まることなく、ワクワクを感じて、つながり、広がろう”。

利用者とスタッフ、地域も含めた、みんなが自分らしくいられる場所は 形も色も様々で、はまってもはまらなくても、一人ひとりの個性や多様性が尊重される。それらが繋がり無限に広がる可能性をイメージし制作した。

コロナ禍のため、パズルを施設に郵送し記入したほか、我々メンバーとオンラインで繋いでの共同制作も実施。

言葉にして描くことで、各人が大切にしている想いを再確認・共有し、そのピースを繋げることで、人や社会と接続し、一人ひとりが可能性を広げていけるようにした。

また「カラーメッセージチャート」を使って ”色”で想いを引き出し、制作物としても彩り豊かなものになるよう工夫した。

 

<全体を通しての感想>

このpieceという場所は、利用者さんにとって社会参加のためのドアのような場所であり、

心と身体のバランスをとったり他者との折合いをつけることに奮闘しながらも、ここをとても温かくて大切な自分の居場所と感じていることが強く伝わってきました。

このパズルは、対自己、対他者、対地域(社会)との繋がりやコミュニケーションのキッカケにと作成しましたが、お題や使い方に関し、こちらが提案した以上の工夫をしてくれたり積極的にアウトプットしてくれたり、期待以上に楽しんで活用してくださったことをとても嬉しく感じています。

今後も皆さんの手で発展させてもらえたらと願っています。

 

(文責:文化学習協同ネットワークチーム)

講師プロフィール

建築家/teco

金野千恵

1981 年神奈川県生まれ。2011 年東京工業大学大学院博士課程修了、博士(工学)。2013-16 年 日本工業大学助教。2015 年より t e c o を共同で設立。現在、東京大学、東京藝術大学などにて 非常勤講師。住宅や福祉施設の設計、まちづくり、アートインスタレーションを手がけるなかで、仕 組みや制度を横断する空間づくりを試みている。主な作品に住宅「向陽ロッジアハウス」、訪問介 護事業所「地域ケアよしかわ」(2014)、「幼・老・食の堂」など。
http://te-co.jp