1976年神奈川県生まれ。
日本社会事業大学大学院 福祉マネジメント修士課程修了。
大学卒業後イタリアのファッションブランド「ジョルジオ アルマーニ」にてトップセールスとして活躍した後、2010年に2代目経営者として現法人に参画。
これまでに、空間から人と人の社会的距離を再考し、介護施設の庭を地域に開放する「ミノワ座ガーデン」、居室のプライバシーを改善する「ミノワセパレイ戸」を建築家・造園家・大学生らと共に実践。
2017年より公民館にて市民の語り場「あいかわ暮らすラボ」を運営。
2019年に障がいのあるなしによらず共に過ごすインクルーシブ保育園「カミヤト凸凹保育園+凸凹文化教室」を開園した。
2022年にはコミュニティケア拠点「春日台センターセンター」を開設予定。
- 必修科目
- ケア原論
2021
7/5
ケア原論5「壁のない福祉」
講師:
馬場 拓也(社会福祉法人愛川舜寿会 常務理事)
馬場 拓也さん(以下、馬場さん)は、「まちというベースをケアで耕したい」地域の人とケアを起点としたコミュニティを再構築し「社会をやさしくする」ことを大切に実践を行っています。特別養護老人ホーム「ミノワホーム」や「凸凹保育園」での取り組みをもとにお話を伺いました。
2010 年に、社会福祉法人愛川舜寿会に参画された馬場さん。ミノワホームと地域との関係を見直すプロジェクトを始めた2016年、相模原障害者施設殺傷事件が起こります。世間の風潮が防犯強化に向かう中、「施設の外壁が地域との壁ができる原因なのではないか」と考え、ミノワホームを囲む長い外壁を壊す、という決断をしました。
壁があった場所には庭を設けました。庭は施設を利用する人だけでなく誰もが訪れることのできる場所です。今では庭の手入れに立ち寄る人もいるなど庭を通して地域との接続口が生まれていきました。馬場さんは、壁が取り払われたことで地域の人たちは高齢者と介護職員のケアの様子を目にすることになった。高齢者施設での日常の営みを当たり前に目撃することで “福祉へのまなざし”を変えることに繋がるのではないか、と語ります。
また、2019年に「誰しもが持つ凸に注目し、誰しもが持つ凹をみんなで埋め合う」という理念のもと、カミヤト凸凹保育園を開園しました。凸凹保育園があるのは高齢化率が高く、この土地に長く住む人、新しく越してくる人、海外にルーツを持つ人などが混ざり合う地域です。園の中に地域の人の目が届く場所をつくることで、子どもたちと地域の人々が出会い気遣いあうなどの出来事が生まれているそうです。
「人のことを気遣っておこなったことの先にインクルーシブやダイバーシティがあるということが、福祉の面白さ」と馬場さんはいいます。
福祉を通して地域が耕されていく。「まち」というベースの上で、福祉への共感の領域を拡げ、福祉に親しむ人がこのまちの近隣で一人でも増えていくような事業を行うことで「社会をやさしくする」ということにつなげたい、という言葉で締め括りました。
2010 年に、社会福祉法人愛川舜寿会に参画された馬場さん。ミノワホームと地域との関係を見直すプロジェクトを始めた2016年、相模原障害者施設殺傷事件が起こります。世間の風潮が防犯強化に向かう中、「施設の外壁が地域との壁ができる原因なのではないか」と考え、ミノワホームを囲む長い外壁を壊す、という決断をしました。
壁があった場所には庭を設けました。庭は施設を利用する人だけでなく誰もが訪れることのできる場所です。今では庭の手入れに立ち寄る人もいるなど庭を通して地域との接続口が生まれていきました。馬場さんは、壁が取り払われたことで地域の人たちは高齢者と介護職員のケアの様子を目にすることになった。高齢者施設での日常の営みを当たり前に目撃することで “福祉へのまなざし”を変えることに繋がるのではないか、と語ります。
また、2019年に「誰しもが持つ凸に注目し、誰しもが持つ凹をみんなで埋め合う」という理念のもと、カミヤト凸凹保育園を開園しました。凸凹保育園があるのは高齢化率が高く、この土地に長く住む人、新しく越してくる人、海外にルーツを持つ人などが混ざり合う地域です。園の中に地域の人の目が届く場所をつくることで、子どもたちと地域の人々が出会い気遣いあうなどの出来事が生まれているそうです。
「人のことを気遣っておこなったことの先にインクルーシブやダイバーシティがあるということが、福祉の面白さ」と馬場さんはいいます。
福祉を通して地域が耕されていく。「まち」というベースの上で、福祉への共感の領域を拡げ、福祉に親しむ人がこのまちの近隣で一人でも増えていくような事業を行うことで「社会をやさしくする」ということにつなげたい、という言葉で締め括りました。
講師プロフィール
社会福祉法人愛川舜寿会 常務理事