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2021
5/17

ダイバーシティ実践論4「ALSとコミュニケーション 〜本物のコミュニケーションを知る〜」

講師: 真下 貴久(訪問介護事業所たかのわ 代表)
 ALS(筋萎縮性側索硬化症)の当事者である真下貴久さんに「ALSとコミュニケーション」という題でお話しいただきました。また、今回の講義には、昨年度以前の実習授業で真下さんにお世話になったDOORプロジェクトの修了生もファシリテーターとして参加してくれました。

 34 歳の時に ALS を発症した真下さん。現在は、 ALS 当事者の立場から、「人との出会い、つながりは、病気を乗り越えることができる」 との思いを持ち、ローテク(フリック文字盤・エア文字盤等)、ハイテク(ICT:Information and Communication Technology)を 融合した独自のコミュニケーション方法を伝えたり、自ら訪問介護事業所「たかのわ」を起業したりと多方面で活動されています。

 ALSは筋肉の萎縮と筋力の低下を引き起こしていく難病です。真下さんは病気の進行により発話が難しいため、講義でのコミュニケーションは、真下さんの視線入力によるパソコンへのタイピングや、真下さんご自身の(発話されていた当時の)肉声データで製作されたコンピュータ発話ソフト、また独自開発した「Air Flick(エア文字盤)真下式」を使って行われました。

 ALSと共に歩み、現在、そして将来を生きる「信念」をご紹介される中で、「病気はあるけど病人にはならない」と主張された真下さん。受講者からの「病気と病人の違いとは?」という質問に、「気持ちで負けてしまうのが病人だと思う」と答えました。

 質疑応答の場面では、終始場を和ませるようなにこやかなコミュニケーションが生まれ、真下さんが人との出会いや繋がりを大切にされていることが伝わってくる時間となりました。

講師プロフィール

訪問介護事業所たかのわ 代表

真下 貴久

1980年12月大阪府堺市生まれ、2015年2月 34歳の時にALSを発症。
現在ALS当事者の立場から、
「人との出会い、つながりは、病気を乗り越えることができる」との思いを持って活動を続ける。
コミュニケーション支援講座にて、ローテク(フリック文字盤・エア文字盤等)、ハイテク(ICT)を融合した独自のコミュニケーション方法を伝えている。
これは真似できない!ではなく、手が届きそうで、届かないという位置を目指している(笑)
令和元年8月より自ら訪問介護事業を起業。