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2025
5/12

ダイバーシティ実践論3「水際に立つ」

講師: 五十嵐靖晃/IGARASHI Yasuaki(アーティスト)
陸の終わりであり、海のはじまり。海の終わりであり、陸のはじまり。どちらでもないあの場所は幾多の生命と進化を生んだ。

人は古より食べ物の恵みであり、海の向こうから様々な物事がやってくる水際に神秘を見てきた。そこに立つとき、どこから来てどこに行こうとしているのか、記憶の奥底に刻まれた何かが答えてくれる。

社会や人生の中に於いて、概念的な意味での水際に立つ時もまた、既存の考え方を壊し、来るべき未来への兆しをみる。

2024年7月13日~9月8日に開催された千葉県立美術館開館50周年記念特別展「五十嵐靖晃 海風」を通じて、これまでの五十嵐の46年の水際を振り返ることをきっかけに、今の自身についての水際を考えてみる。

講師プロフィール

アーティスト

五十嵐靖晃/IGARASHI Yasuaki

1978年千葉県生まれ。東京藝術大学大学院修士課程修了。人々との協働を通じて、その土地の暮らしと自然とを美しく接続させ、景色をつくり変えるような表現活動を各地で展開。アートとは「自然と人間の関わりの術」であると考える。2005年にヨットで日本からミクロネシアまで約4000kmを航海した経験から“海からの視座”を活動の根底とする。代表的なプロジェクトは、《くすかき》(太宰府天満宮/2010~)、《そらあみ》(瀬戸内国際芸術祭2013・2016・2019・2025)、《時を束ねる》(南極ビエンナーレ2017)、《海渡り》(つなぎ美術館/2021~)など。2024年、千葉県立美術館開館50周年記念特別展「五十嵐靖晃 海風」を開催した。http://igayasu.com

プロフィール写真 ©️高橋マナミ