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  • ダイバーシティ実践論
2025
6/2

ダイバーシティ実践論6「自然な文化をコミュニティと共に育む 存在を描く実践とアート」

講師: 和田 夏実・管野奈津美(和田 夏実:インタープリター/リサーチャー・管野奈津美:リサーチャー/アーティスト)
視覚で世界を捉える人々にとって、手話という言語や視覚での空間や認知の捉え方は、文化と深く結びついています。本講義では、私を起点に自然な文化を探索する「めとてラボ」や文化拠点「5005」の取り組みを紹介し、ろう者やCODAなど多様な背景を持つ人々がどのように自らの感覚や経験をもとに共創し、環境を耕していくことができるかについての実践を紹介します。またろう者とアートの歴史、これまでとこれからを振り返り、考えていくとともに、現在ミラノにて研究を進めるAlzheimer EuropeのPublic Involvementの考え方を参照しながら、研究や制度設計において当事者の身体的・文化的リアリティがどのように尊重し、されうるか。異なる言語体系や身体感覚を、創造や対話の源として、誰もが安心して存在できる文化的環境づくりの可能性を探ります。

講師プロフィール

和田 夏実:インタープリター/リサーチャー・管野奈津美:リサーチャー/アーティスト

和田 夏実・管野奈津美

和田 夏実
ろう者の両親のもとで手話を第一言語として育ち、大学進学時にあらためて手で表現することの可能性に惹かれる。さまざまな身体性の方々との協働から感覚がもつメディアの可能性について模索。感覚を探るカードゲーム”Qua|ia”や、たばたはやと+magnetとして触手話をもとにしたつながるコミュニケーションゲーム”YUBIBO”、”たっちまっち”など、認知と脳に関する研究と、ことばと感覚の翻訳方法を探るゲームやプロジェクトを展開。手話通訳士。めとてラボ。2023年、東京・西日暮里に視覚で世界を捉える人が集うスペース5005を共同設立。現在、ミラノ工科大学に研究員として在籍。

管野奈津美
Re; Signing Project代表。ろう者による芸術表現の新たな可能性を模索し社会への問いを発信するアートプロジェクト「Re; Signing Project」を立ち上げ、2023年5月に当事者の視点から身体や感覚を捉え直す展覧会「〜 視覚で世界を捉えるひとびと」を開催。手話や視覚言語を拠点としたワーキングスペース「5005」の運営事務局・コミュニティマネージャーとして勤務する傍ら、言語や文化、身体性との関わりをテーマに作品制作に取り組む。