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2025
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ケア実践場面分析演習 企画【誰も見たことのないクリスマスオーナメントをつくろう!】

講師: 渡邉五大(東京藝術大学大学院美術研究科美術教育研究室教授)
<チーム名(テーマ)>
ジグザグ(子育て)

<見つけた地域の課題>
「子どもたちにとって藝大は遠い場所!?」
藝大近くの谷中周辺フィールドワークで出会った男の子の「大学に行ってみたい!」と言った一言から、近くにあっても藝大に足を踏み入れたことのない子どもたちが多いことに気付きました。

<企画・制作までの道のり>
藝大と地域の子どもたちとの交流が実際どの程度あるのかを確認するために、地域の子ども施設(谷中児童館、池之端児童館、谷中小学校放課後子供教室)にヒアリングに伺いました。
そこで分かったことは、どの施設も藝大・藝大生と繋がり交流したいというニーズがあるものの、繋がり方が分からないために繋がれていないという事実でした。そこで私たちは「地域の子どもと藝大を繋ぐ」ために、子ども施設で藝大生と子どもたちの交流イベントを企画することにしました。

<企画名>
「誰も見たことのないクリスマスオーナメントをつくろう!」

<企画概要>
場所: 池之端児童館と谷中小学校放課後子供教室  内容: 子どもたちと藝大生が一緒に、身近な素材である綿棒を段ボールキューブに刺して、クリス マスオーナメントを作る  ねらい: 同じ素材を使うことで、それをどう使って作品を作るのか、お互いのユニークな発想に触 れる機会を作る  材料: 綿棒、段ボールキューブ、マスキングテープ、リボン  イベントの結果: どちらの施設でも定員を超える子どもたちが集まり、藝大生とコミュニケーション をとりながら創作の時間を楽しみました。それぞれが個性溢れる素敵な作品を完成させ、最後に みんなの作品を積み重ね、ツリーに見立てて鑑賞会を行いました。子どもたちはお互いの作品に 興味を示し、様々な感想や質問が飛び交っていました。イベント終了後のアンケートでは、回答し た子ども全員が「楽しかった」「また参加したい」と回答しました。参加した藝大生もまた全員が企 画に対して「大変良かった」「良かった」「また機会があれば参加したい」と回答しました。 施設のスタッフの方々にも喜んでいただくことができ、今後も継続した繋がりを希望するというご 意見をいただきました。  ◎谷中小学校放課後子供教室さんのブログからも当日の様子をご覧になることができます。 →https://yanaka-houkago.tumblr.com/

<全体を通してのチームの感想>
自分たちでゼロから課題を見つけ出し、企画を形にすることが求められる授業だったため、非常に難しく感じました。
途方に暮れた時、進むべき方向を示唆してくれたのは、フィールドで出会った人たちの存在でした。現地に足を運び直接話してみることで、互いのニーズを丁寧に掘り下げ、共に企画を作り上げていくことができました。
また、一人では難しいこともチームメンバー各々の得意分野を活かして協力することで、互いの違いを力に変え乗り越えることができました。
地域の子ども、施設の方々、藝大生たちと楽しい時間を共有することで、互いの距離がぐっと縮まったと感じます。
ぜひこれをきっかけに地域の子どもたちと藝大生が継続して交流し、お互いの感性を刺激し合う機会が増えることを願っています。

(文責:ジグザグチーム)

講師プロフィール

東京藝術大学大学院美術研究科美術教育研究室教授

渡邉五大

1967年 神奈川県生まれ。1992年 東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了後、本学彫刻科助手、文化庁派遣芸術家在外研修員、本学彫刻科非常勤講師等を経て、2011年より神奈川県立高校教員、2019年より現職。傍ら美術家としてインスタレーション、彫刻作品を発表。近年は主に美術家コレクティブ「力五山 (加藤力 渡辺五大 山崎真一)」として活動。
越後妻有アートトリエンナーレ(2009~22)、奥能登国際芸術祭(2017,21)UNMANNED無人駅の芸術祭/大井川(2021〜24)、瀬戸内国際芸術祭(2013)、等に参加。