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2025
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ケア実践場面分析演習 企画【Ueno Cross Culture GOMI Project】

講師: 渡邉五大(東京藝術大学大学院美術研究科美術教育研究室教授)
<チーム名(テーマ)>
NEIGHBORS(外国人)

<見つけた地域の課題>
「上野公園は、人々が集い、様々な文化、国籍や背景が交差する場所
しかしその背後には、私たちが直視すべき社会的な問題が隠れていた。
これは、公園に潜むゴミ問題に”Neighbors”が向き合った記録である」。

<企画・制作までの道のり>
私たちNEIGHBORSは、上野公園でフィールドワークを行い、ゴミ箱の不足や多文化の人々が集う中での表記の分かりにくさを、複数のデータや文献を基に課題として特定しました。外国人観光客が増加する中、ゴミの衛生環境や美観の改善を目指し、1)認知のしやすさ”、2) かわいい、親しみやすさ という要素を取り入れたゴミ箱デザインを試作品として制作しました。その後、ゴミ回収業者への調査とヒアリングを基に、要素も満たすものとして、ピクトグラムとパンダの絵柄を施した試作品を作成し、2地点で実証調査を実施。日本人、外国人計46名の協力を得た結果、ピクトグラムが認知度に、デザインの「楽しさ」がゴミ箱の印象に影響することが分かりました。

<企画名>
Ueno Cross Culture GOMI Project

<企画概要>
私たちはプロジェクトの成果物として以下の4つを制作しました。 ・上野公園ゴミ箱MAP(最終報告資料p.16参照) 2024年10月13日に行ったフィールドワークにより、ゴミ箱の位置と種類、個数を特定し、MAPとして記しました。 ・Ueno Cross Culture GOMI Project ゴミ箱試作品 話し合いを重ねた結果、下記a,b,について調査し、それを基に“認知されやすさ”および“かわいさ”や“親しみやすさ”が人々へ行動を促す際のインセンティブに成り得ると仮定し、ゴミ箱のプロトタイプを作成しました。(最終報告資料p.12参照) a. 台東区の外国人観光客に関するデータ コロナ禍以降、外国人観光客数は著しく回復していますが、観光客が日本で残念に感じることの上位に、ゴミの衛生環境や美観が挙げられていました。 参考データ:令和5年度 台東区観光統計・マーケティング分析報告書 p.4, p.130 b. ゴミ箱の印象向上による認知度と行動変容の可能性 文献調査の結果、“かわいい”や“親しみやすさ”をデザインに取り入れることで、人々の行動に良い影響を与える可能性があることが分かりました。 参考文献:「「かわいい」のちから 実験で探るその心理」入戸野 宏 (2016) <弱いロボット>の思考 わたし・身体・コミュニケーション」岡田美智男(2017) ・実証実験の調査レポート 2024年11月24日に実施したゴミ袋利用調査のレポート(最終報告資料p.23-28, p.47-48参照) 調査概要 目的:ゴミ袋の認識のしやすさ、求められることを明らかにする 実施日時:2024年11月24日(日) 9時〜16時 実施場所:上野恩賜公園内 ③番トイレ前に設置のゴミ袋 ⑦番トイレ前に設置のゴミ袋 1. 調査方法:2箇所に設置されたゴミ袋をどのように人が利用しているか観察 2. 任意で上記付近の公園利用者にアンケートを実施 3. 60分〜90分毎、どの程度各ゴミ袋にゴミが入っているかを写真に記録 有効回答数:46名(日本人 32名、外国人 14名) 日本人、外国人合計して約8割がゴミ箱と認知できたと回答。外国人の9割、日本人の6割近くが、ピクトグラムやイラストをいれることでゴミ袋の印象が良くなったと回答。 ピクトグラムが認知度に、デザインの「楽しさ」がゴミ箱の印象に影響すると思われる。 ・絵巻 我々の活動の主な活動の記録を時系列に絵巻の形態で作成しました。

<全体を通してのチームの感想>
本プロジェクトを通じて、異なる文化・背景を持つ人々が集う公共の場でのゴミの問題を、より具体的かつ自分事として捉えられるようになりました。ゴミ箱を減らすことや、分別をすることが、ゴミ問題の解決につながるわけではありません。この問題は、行政、民間、観光客、住民など、多様な立場を巻き込むインフラの課題でもあります。各立場によって見える景色が異なるため、“正解”や“不正解”が存在するわけではなく、多面的な視点からの調整と問題解決が求められます。今回の調査結果や最終発表の投票結果を関係者と共有し、小さな変化を実現するために引き続き活動を続けていきたいと考えています。

(文責:NEIGHBORSチーム)

講師プロフィール

東京藝術大学大学院美術研究科美術教育研究室教授

渡邉五大

1967年 神奈川県生まれ。1992年 東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了後、本学彫刻科助手、文化庁派遣芸術家在外研修員、本学彫刻科非常勤講師等を経て、2011年より神奈川県立高校教員、2019年より現職。傍ら美術家としてインスタレーション、彫刻作品を発表。近年は主に美術家コレクティブ「力五山 (加藤力 渡辺五大 山崎真一)」として活動。
越後妻有アートトリエンナーレ(2009~22)、奥能登国際芸術祭(2017,21)UNMANNED無人駅の芸術祭/大井川(2021〜24)、瀬戸内国際芸術祭(2013)、等に参加。