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2024
5/27

ダイバーシティ実践論4「集落に生きる ―縮退する地域と向き合う・パブリックヒストリーの実践―」

講師: 井口 梓(愛媛大学社会共創学部/文化資源マネジメント)
「限界集落」「消滅可能性都市」ニュースであふれるこの言葉。想像してみてください。私たちの社会のどこかに、この言葉が示す現実と日々向かい合い、暮らす人々がいます。

山林を切り拓き、田畑を耕し、家を建て、仲間や家族をつくり、親から子、子から孫へ、長い年月をかけて形作られてきた集落が、今まさに途絶えてしまいそうな時に、地域の人々が「生きた証」を残すために、自分たちの歴史を語り伝える取り組みを行っています。

パブリックヒストリーとは、地域の人々による歴史の実践です。自分たちの記憶や経験、口頭で受け継いできたこと、日常にあるすべての歴史的な事柄を自ら語り、自ら調べる、すなわち自分たちの歴史と対話することです。

自分たちの歴史を紐解く中で、集落に生きる喜び・楽しみ、この集落で生きる幸せ、集落の豊かさ……これら1つ1つを実感し、見つめ直し、もう一度紡ぎながら、自分たちが生きる集落の誇りを取り戻す。愛媛県内子町を事例に、「集落に生きる」とは何か?一緒に考えたいと思います。



講師プロフィール

愛媛大学社会共創学部/文化資源マネジメント

井口 梓

筑波大学大学院博士課程・生命環境科学研究科を修了後(博士(理学))、2009年に愛媛大学に着任し、愛媛県内各地で文化を活かしたまちづくりや文化資源マネジメントの実践に取り組む。
専門は、地理学・民俗学・観光学。文化庁・文化財マネジメント職員養成研修講師、各地の文化財保存活用計画や改修工事、文化アート事業等の委員会委員、アートコミュニケータ「ひめラー」(愛媛県・東京藝大)の講師をつとめる。愛媛大学 学長特別補佐・社会共創学部副学部長・地域共創センター副センター長。