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  • ケア実践場面分析演習
2023
12/17

ケア実践場面分析演習 作品【養育里親ってなんだろう?ーとある里親家族の日常展ー】

講師: 金野千恵(建築家 / t e c o)
<実習先>
Y家(養育里親家庭)

<実習先の概要>
Y家は養育里親の活動をされているご家族で、現在はご両親と実子さん3人、委託児童(=里子さん)1人の6人家族。養育里親とは「何らかの事情により、保護者のいない子どもや保護者に監護させることが適当でないと認められる子どもを養育する里親」のこと。Y家の皆さんは里親の活動を始めた2020年から現在までに10人以上の里子さんの里親家族となって生活を共にしてきました。

<実習の様子・テーマ設定までの道のりなど>
ご家族を訪問してお話を聞いたり交流するうちに、Y家の皆さんの明るさや温かさに触れました。また、ご両親や実子さん達がそれぞれの視点で様々な思いがあったことを感じました。そこで、養育里親の活動について、ご家族といろいろな思い出や当時の気持ちをイラストに描き起こす時間を作りました。描きながらもご家族の皆さんからあの時はこんな感じだったよね!とか、これが大変だった、などの気持ちが次々と溢れてきて、楽しく振り返る時間となりました。最後に完成したイラストを見た私達は、より多くの人に養育里親の活動や実情を知ってもらいたいと考え、出来上がった作品と解説文を「養育里親ってなんだろう?ーとある里親家族の日常展ー」と題し、展示を実施することにしました。

<作品タイトル>
養育里親ってなんだろう?ーとある里親家族の日常展ー

<作品情報>
展示作品=A3用紙、厚紙、ラミネート、発泡スチロールパネル
展示サイズ180cm×360cm
実際の作品(原画)=ハガキサイズ用紙、水彩絵の具、色鉛筆、水性ペン


<作品の概要>
里親家族の皆さんが里子さんとの出会いで生まれた感情や思い出を自由に表現してもらった「絵」と、その絵についての説明、思い出しながら表現する過程で改めて気づいたことなどをまとめた「文章」をセットにして「作品」とし、父、母、実子さんたちそれぞれの視点で創られた複数の作品を「養育里親ってなんだろう?ーとある里親家族の日常展ー」と題して、展示を行いました。展示期間は2週間、展示場所は家庭的で温かい雰囲気のレストラン“キッチンソイヤ”(茨城県つくば市)の一角をお借りしました。実物の絵は心の中の本音を溢すように小さめの紙に描いていましたが、展示の際には大きくして作品を観る人が見やすくなるよう工夫しました。

<全体を通してのチームの感想>
Y家の皆さんを通し、里親についてたくさんのことを学ばせていただきました。初めてY家を訪問した時から、ご家族みんなで明るく、自然に里子さんを受け入れられている雰囲気がとても印象に残っています。
お話を聞く中で、里子さんの置かれている状況や受け入れ時の様子など、大変な現状を知る機会がありました。同時に、私達にできることがもっとあるのではないかと深く考えるきっかけになりました。
Y家の皆さんと制作した作品を通して、養育里親という家族の形を一人でも多くの人に知ってもらいたいと思います。そして、自分事として捉えてもらうことで、子ども達の生きる環境について考えるきっかけになれば、と願っております。

(文責:Y家(養育里親家庭)チーム)

講師プロフィール

建築家 / t e c o

金野千恵

1981 年神奈川県生まれ。2011 年東京工業大学大学院博士課程修了、博士(工学)。2013-16 年 日本工業大学助教。2015 年より t e c o を共同で設立。現在、東京大学、東京藝術大学など゙にて 非常勤講師。住宅や福祉施設の設計、まちづくり、アートインスタレーションを手がけるなかで、仕組みや制度を横断する空間づくりを試みている。主な作品に住宅「向陽ロッジアハウス」、訪問介 護事業所「地域ケアよしかわ」(2014)、「幼・老・食の堂」など。2021年より、京都工芸繊維大特任准教授。