• 必修科目
  • ケア実践場面分析演習
2023
12/17

ケア実践場面分析演習 作品【おせっかいのいろは帖】

講師: 金野千恵(建築家 / t e c o)
<実習先>
認定NPO法人 豊島子どもWAKUWAKUネットワーク

<実習先の概要>
豊島区池袋で住民が中心となり、地域に住む貧困や不登校、虐待、外国籍、障がいなど様々な困難を抱え孤立した家庭を見守り、遊び・学習・居場所・食事・仕事・生活を多方面から網の目のようなネットワークで支えています。子ども達が生まれ育つ環境に左右されることなく、自分らしい人生を歩める様に支援の輪を広げています。

<実習の様子・テーマ設定までの道のりなど>
宿泊機能を持つ居場所「WAKUWAKUホーム」と勉強をサポートする「無料学習支援」の2つの場所に伺いました。授業を終えた小学生達が次々に集まる「WAKUWAKUホーム」は、まるで本物のおうちのようでした。一緒に宿題をしたり、おもちゃを作って遊んだり、夕飯を食べたりしました。「無料学習支援」では、外国ルーツなど様々なバックグラウンドを持つ子ども達に宿題を教えたり、学校で配布されるプリント類のお手伝いをしたりしました。
これらの実習を通して、子ども達の明るい未来のためには、地域を見守る「おせっかいさん」が必要だということがわかってきました。そこで、読むだけで“おせっかいマインド”になれる「おせっかい手帖」を作ることにしました。

<作品タイトル>
おせっかいのいろは帖

<作品情報>
冊子(B5サイズ、32ページ)


<作品の概要>
「おせっかいのいろは帖」は、「おせっかい」をテーマに制作した冊子です。テーマのきっかけにもなった実習先「WAKUWAKUネットワーク」について、様々な視点で紹介しています。内容は、地域で展開される支援活動についてイラストやマンガを盛り込み、現在の取り組みに至るまでのエピソードについて時系列で紹介、取り組みに関わるおせっかいさん4人の物語も綴っています。また、冊子を読んだ人自身がおせっかいの種を見つけ、一歩を踏み出すことを応援する内容として、「タイプ別おせっかいさん診断」や「ネットワークを広げるコツ」なども掲載。地域におせっかいさんが増えることを願って、おせっかいを始めるヒントを冊子に詰め込みました。

<全体を通してのチームの感想>
「WAKUWAKUネットワーク」に行くまでは子どもの貧困を解決するなんて難しそう、取り組んでる人達は立派で余裕のある人に違いない、と思っていました。ですが実際に現場にお邪魔すると、ケアする/されるの関係ではなく「楽しいから一緒にいる」というとてもシンプルで心地の良い関係で成り立っていることが分かったのです。大人も子どもも支え合い感化されあう。血縁関係をこえて地域が家族になっていく、やわらかくて温かいその考えにチーム全員が「素敵だ」と共感しました。そしてこの冊子を作り広める中で、私達自身にもその考えが浸透してゆくのを感じています。私達にとって「おせっかいマインド」は毎日をそっとやわらかく照らしてくれるような存在です。

(文責:認定NPO法人 豊島子どもWAKUWAKUネットワークチーム)

講師プロフィール

建築家 / t e c o

金野千恵

1981 年神奈川県生まれ。2011 年東京工業大学大学院博士課程修了、博士(工学)。2013-16 年 日本工業大学助教。2015 年より t e c o を共同で設立。現在、東京大学、東京藝術大学など゙にて 非常勤講師。住宅や福祉施設の設計、まちづくり、アートインスタレーションを手がけるなかで、仕組みや制度を横断する空間づくりを試みている。主な作品に住宅「向陽ロッジアハウス」、訪問介 護事業所「地域ケアよしかわ」(2014)、「幼・老・食の堂」など。2021年より、京都工芸繊維大特任准教授。