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  • ケア実践場面分析演習
2023
12/17

ケア実践場面分析演習 作品【めちゃくちゃわちゃわちゃ】

講師: 金野千恵(建築家 / t e c o)
<実習先>
認定NPO法人トラッソス

<実習先の概要>
2003 年に活動を始めた知的障がい/発達障がい児・者を中心としたサッカースクール・クラブ。「やりたくなるサッカー」をモットーに、個々の特性に合ったサッカーを楽しみながら、関わる人皆で一緒に成長しています。障がい者と健常者の交流イベントや全国へコーチの派遣も行い、サッカーを通して皆が尊重し合えるコミュニティ作りを行っています。

<実習の様子・テーマ設定までの道のりなど>
東京都江戸川区で実施されているサッカースクールにボランティアとして参加しました。楽しいトレーニングやゲーム等を通して交流し、皆の「サッカーがすき!」という気持ちに触れたことで、私達もトラッソスのサッカーに魅了されました。コーチやご家族と対話を重ねながら障がいについて知識を深め、知的・発達障がいがある人のスポーツ参加には、様々な障壁があることを知りました。
誰でも親しみやすいトラッソスの活動に私達独自の表現を掛け合わすことで人の心を動かせるのではないかと考え、トラッソスに関わる多様な人の楽しくてハートが熱い様子=「めちゃくちゃわちゃわちゃ」と称した展覧会企画を実施することにしました。

<作品タイトル>
めちゃくちゃわちゃわちゃ

<作品情報>
①展覧会(加工写真、資料、漫画、織物、パフォーマンス)
②ホームページ:「めちゃくちゃわちゃわちゃのホームページ」
https://mechawacha.hp.peraichi.com/
③リーフレット(認定NPO法人トラッソス、めちゃくちゃわちゃわちゃを知ってもらうためのツール)


<作品の概要>
「トラッソスや福祉について1mm でも知って欲しい...」そんな想いから「めちゃくちゃわちゃわちゃ展」を開催しました。福祉に触れたことがない人にこそ観てもらいたいと考え、サッカー好きの店長さんが運営している愛知県のクラフトビールバーで、メンバー4人それぞれのキャラクターを活かして発信。会場では展示を通して「アートx福祉」「障がい福祉」等について様々な人達と語り合うことができました。もっと深く知りたいという人に向け、トラッソスや障がい、私達の取り組みについてまとめたホームページを制作。関連したリーフレットの配布も行いました。
今後、他の地域での開催を計画中です。ぜひ、めちゃくちゃわちゃわちゃな世界でお会いしましょう!

<全体を通してのチームの感想>
「この子とサッカーがしたい!」と発達障がいのある子どもに心動かされことで生まれたトラッソスのように、私達もトラッソスとの出会いから湧き上がった気持ちを実践に込めました。メンバーが互いに認め合うことで、自分自身の強みに気づき、個々の力が惜しみなく発揮されてチームの大きな原動力となりました。
「障がいやトラッソスについて知れて良かった」「トラッソスのようにみんなで楽しく活動できたらいいな」等の感想をいただき、今後更に多くの人と対話、交流をして次の取り組みに繋げたいと感じました。
誰かの心を動かすことは難しいと実感し、社会に向けた活動としては小さな1歩ではありますが、私達自身は「1mm でも...」というコンセプトを通して100kmくらい前進できた気がします。

(文責:認定NPO法人トラッソスチーム)

講師プロフィール

建築家 / t e c o

金野千恵

1981 年神奈川県生まれ。2011 年東京工業大学大学院博士課程修了、博士(工学)。2013-16 年 日本工業大学助教。2015 年より t e c o を共同で設立。現在、東京大学、東京藝術大学など゙にて 非常勤講師。住宅や福祉施設の設計、まちづくり、アートインスタレーションを手がけるなかで、仕組みや制度を横断する空間づくりを試みている。主な作品に住宅「向陽ロッジアハウス」、訪問介 護事業所「地域ケアよしかわ」(2014)、「幼・老・食の堂」など。2021年より、京都工芸繊維大特任准教授。