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2024
1/22

ダイバーシティ実践論14「ここに居ない人について考える~孤独・孤立課題の当事者尊重~」

講師: 渡辺篤(現代美術家、社会活動家)
◼講義案内

自身も元ひきこもり当事者である現代美術家・渡辺篤は、社会復帰後から現在まで約10年に渡り、主にひきこもりをじめとする孤独・孤立当事者と協働するプロジェクトを数多く展開してきた。

今回は、2023年に開催された2つの展覧会「あ、共感とかじゃなくて。」(東京都現代美術館)と「私はフリーハグが嫌い」(国立新美術館)での展示作品と、背景にある実践や思想を紹介する。また、当事者心理の複雑性やケアのあり方の誤解されがちな点について、そして、ひきこもり当事者運動界隈の実情についても時間の許す限り説明していく。

後半は質疑応答の時間を取るので、積極的に質問して下さい。

 

<講義に関わる主なキーワード>

ひきこもり、孤独・孤独問題、コロナ禍の孤立、ソーシャリー・エンゲージド・アート、伴走型支援、当事者発信、トラウマの環状島モデル、対話、協働、尊重と搾取、毒親、暴力的支援団体、引き出し屋

講師プロフィール

現代美術家、社会活動家

渡辺篤

2009年、東京芸術大学大学院修了(美術研究科油画専攻)。近年は、自身も経験者である「ひきこもり」 にまつわる関係性の課題や、共感可能性と不可能性・社会包摂の在り方などをテーマ としている。2018年から「アイムヒア プロジェクト」を主宰し、孤独・孤立当事者たちとの協働企画を多数実施。
主な個展は「私はフリーハグが嫌い」(国立新美術館、 2023)、「同じ月を見た日」(R16 studio、神奈川、2021)。主なグループ展は、「あ、共感とかじゃなくて。」 (東京都現代美術館、2023)、国際芸術祭「あいち2022」、「瀬戸内国際芸術祭2022」、 “Looking for Another Family”(国立現代美術館、韓国、2020年)など。2020年度 「横浜文化賞 文化・芸術奨励賞」受賞。作品発表以外では、当事者経験や表現者としての視点を活かし、「ハートネットTV」(NHK Eテレ)などテレビ出演、執筆、講演も多い。

Photo: Keisuke Inoue