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  • ダイバーシティ実践論
2023
12/18

ダイバーシティ実践論12「400年続く限界集落から視たソーシャルインクルージョン」

講師: 矢部佳宏(西会津国際芸術村ディレクター/ランドスケープアーキテクト)
◼講義概要
限界集落という言葉が聞かれるようになって久しい。地方の過疎・高齢化が著しく進む様を表したこの言葉は、地方社会、とりわけ山村集落が現代から取り残されていくイメージを強く定着させた。都市部に人口と人材を供出し続け、中央集権型の経済発展を支えてきた基盤ともいうべき地方社会の深淵がぼろぼろと崩れ落ちていく様は、大量生産・大量消費型の市場経済において、里山全体を含めた山村集落社会が用済みとされ、切り捨てられていくようにも映った。
一方で、急激な人口減少社会の到来を前に、我が国の持続可能性に焦点を当てた時、私が19代目となる山村集落は、数百年にわたり同じメンバーで続いてきたチームであり、経営体でもあった。自然と共生しながら、持続可能な社会を築く経験的な知恵が蓄積されていたはずである。海外でエコロジカルアーバニズムに携わってきたランドスケープアーキテクトの視点から、都市⇄山村、町⇄山村、山村集落内でのソーシャルインクルージョンについての考察し、アートやクリエイティビティを通じた再生の取り組みについてお話しする。

講師プロフィール

西会津国際芸術村ディレクター/ランドスケープアーキテクト

矢部佳宏

西会津国際芸術村ディレクター/ランドスケープアーキテクト/一般社団法人BOOT代表理事/総務省地域力創造アドバイザー/ふるさと財団地域再生マネージャー
福島県西会津町生まれ。
マニトバ大学大学院ランドスケープアーキテクチャー修士首席修了。
上山良子ランドスケープデザイン研究所、NITA DESIGN GROUP(上海)等、東京・カナダ・上海を経て、西会津町にルーツ・ターン。山奥の約360年続く集落を19代目として継承しながら、ランドスケープ・アーキテクトとしての知識や経験を軸に、分散型・集落滞在型古民家ホテル「NIPPONIA楢山集落」や「西会津国際芸術村」など、故くて新しい未来の暮らし方、社会の組織・仕組みづくりや、持続可能な地域経済の生態系について探求・実践している。近年では、和歌山県有田川町での地域再生の仕組みづくりや、ブロックチェーンを活用した農家を貢献する仕組み「石高プロジェクト」など、多地域で多様なアプローチの地域再生に取り組んでいる。

一般社団法BOOT https://www.boot-diversity.com/
西会津国際芸術村 https://nishiaizu-artvillage.com/
楢山"プラネタリー"ヴィレッジ(NIPPONIA楢山集落)https://narayama-planetary-village.jp/