六車 由実 / Yumi Muguruma
1970年静岡県生まれ。社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員。
大阪大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。専攻は民俗学。2003年、『神、人を喰う――人身御供の民俗学』(新曜社)でサントリー学芸賞受賞。東北芸術工科大学芸術学部准教授を経て、介護士に。介護の現場に民俗学の「聞き書き」の方法を取り入れた経緯を綴った『驚きの介護民俗学』(医学書院)で脚光を浴びる。同書は第2回日本医学ジャーナリスト協会賞大賞を受賞。2015年8月現在、デイサービス施設「すまいるほ一む」管理者・生活相談員。介護の世界をより豊かにする試みを続けている。
近著に、『介護民俗学へようこそ!ー「すまいるほーむ」の物語』(新潮社)がある。
- 必修科目
- ケア原論
2018
1/13
アートとしてのケア技術2 介護民俗学とは何か
講師:
六車由実(民俗学者、介護職員、社会福祉士)
静岡県沼津市のデイサービス「すまいるほーむ」を運営する六車由実さん。施設利用者の方々との活動について具体的な事例を挙げながら、その取り組みのきっかけと工夫について紹介しました。語る相手とのやり取りをもとに成立する「聞き書き」という、民俗学を思考する中で得た知見を、介護の現場にも取り入れた結果、利用者の方々との関係性が変化し、より立体的にそれぞれの表情が見えてくるようになったそうです。またある利用者の方の提案で始まった「かるた作り」も、皆が話の主体となりながら、色々な形の関わり方を生み出し、「聞く・聞かれる」や「見る・見られる」などの関係性において、柔軟な変化が見られるようになりました。そして、本講義では実際に「かるた作り」に挑戦! また、飯田大輔さんとのクロストークでは、会話から言葉を書き出していく中で生まれる、「皆で編集していくこと」「形にしていくことでできる共有」の重要性について語られました。
六車さんが「すまいるほーむ」の普段の活動で大切にしている、「一方的な関わりにならないこと」や「教え合うこと」という様子が感じられ、終始和やかな雰囲気で受講生とのやり取りが交わされました。
六車さんが「すまいるほーむ」の普段の活動で大切にしている、「一方的な関わりにならないこと」や「教え合うこと」という様子が感じられ、終始和やかな雰囲気で受講生とのやり取りが交わされました。
(レポート:畑)
講師プロフィール
民俗学者、介護職員、社会福祉士