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2023
2/8

ケア実践場面分析演習 作品【ふくしを身近に「#ふくシル」】

講師: 金野千恵(建築家/teco)
<実習先>
株式会社ベストサポート 
多機能型事業所  ITSUMO


<実習先の概要>
支援を受ける側と支援する側で分けることなく、みんながつながり支え合える暮らしや社会を目指し、千葉市・都賀で事業展開をする、株式会社ベストサポート 多機能型事業所 ITSUMOさん。「触れにくい」「扱いにくい」といったフクシのイメージを変え、町のあちらこちらで “フクシ” が日常となるように、地域に開かれた場づくりを真摯に、そして楽しみながら実践(アイデア満載の事業所に、驚きの連続!)する姿を、2022年夏の日、私たち4名は目の当たりにしました。


<実習の様子・テーマの設定までの道のりなど>
ITSUMOさんとのファーストコンタクトに衝撃を受けた私たち。地域とともに、地域に開かれた場として事業展開をするITSUMOさんと同じ様に、この実習や私たちの日々の暮らしの中で感じる、何となく近寄りがたいイメージが見え隠れする “福祉” を「ふつうの・くらしの・しあわせ」として、まずは柔らかに見つめ直してみました。そして、それぞれが得た思いや気づきを、ショートムービーとして映像化し、「ケアの現場をより社会に開かれた場とする方法」として、より多くの人に知ってもらう機会をつくることにしました。
作品コンセプトは、みんなの “ふくし” が 目覚めるきっかけ「#ふくシル」です。


<作品タイトル>
ふくしを身近に「#ふくシル」


<作品について>
「#ふくシル」ショートムービーには、4つのテーマが設定されています。

1. 無関心への警告
2. インクルーシブな社会のために
3. Wellbeingな生き方
4. 色メガネをはずそう

実習先のITSUMOさんで得た気づきや、世の中の障がいに対する不文律、生き方自体を制限されることへの疑問や問題提起、これまでに出会った人たちとの対話……。私たちのショートムービーが、“ふくし” への「触れにくさ」や「扱いにくさ」を感じる人たちに届くなら、“ふくし” を考えてみるきっかけになりますように。そして、生きづらさを抱える人たちにとって、「私たちも発信したい!」と思ってもらえますように。


<全体を通してのチームの感想>
メンバーに福祉の世界で働く人がおらず、「一般人代表」として感じたことを世に伝えたらいいのではないか、と始まった動画制作。動画についてもプロがいるわけではなく、はじめての作業に悪戦苦闘することもありましたが、私たちが、見て、伝えたいと思った「ふくし」を、無事に動画にすることができました。これらは複数のSNSで配信し、サイト「ふくシル(https://fukushiru.jp)」でも公開をしています。
ふくしの世界は幅広く、私たちが知らないこともまだまだ沢山あります。今後も日々の生活の中で、ふくしについて考え、勉強していくことができたらいいなと思っています。

(文責: ITSUMOチーム)

講師プロフィール

建築家/teco

金野千恵

1981 年神奈川県生まれ。2011 年東京工業大学大学院博士課程修了、博士(工学)。2013-16 年 日本工業大学助教。2015 年より t e c o を共同で設立。現在、東京大学、東京藝術大学など゙にて 非常勤講師。住宅や福祉施設の設計、まちづくり、アートインスタレーションを手がけるなかで、仕組みや制度を横断する空間づくりを試みている。主な作品に住宅「向陽ロッジアハウス」、訪問介 護事業所「地域ケアよしかわ」(2014)、「幼・老・食の堂」など。2021年より、京都工芸繊維大特任准教授。