1981 年神奈川県生まれ。2011 年東京工業大学大学院博士課程修了、博士(工学)。2013-16 年 日本工業大学助教。2015 年より t e c o を共同で設立。現在、東京大学、東京藝術大学など゙にて 非常勤講師。住宅や福祉施設の設計、まちづくり、アートインスタレーションを手がけるなかで、仕組みや制度を横断する空間づくりを試みている。主な作品に住宅「向陽ロッジアハウス」、訪問介 護事業所「地域ケアよしかわ」(2014)、「幼・老・食の堂」など。2021年より、京都工芸繊維大特任准教授。
- 必修科目
- ケア実践場面分析演習
2023
2/8
ケア実践場面分析演習 作品 【「つながる My Book」~ともだち100人できるかな~】
講師:
金野千恵(建築家/teco)
<実習先>
一般社団法人 COCO PORTA
<実習先の概要>
COCO PORTAさんは、2022年2月に設立された一般社団法人です。里親養育や特別養子縁組成立後の縁組家庭支援を行い、2023年以降にはサロンを併設した新しいカタチのファミリーホームの開設を予定されています。法人の立ち上げも養育里親家庭の子どもや特別養子縁組家庭の子ども同士の交流が少ないと感じたことも、一つのきっかけだったそうです。
現在、COCO PORTAさんの多岐に渡る取り組みの中で、養育里親家庭や特別養子縁組家庭の親子を対象にアートを介したワークショップや、子ども同士のつながりを深める為の交流会などがあります。今回はそのワークショップに焦点を当てて実習をさせてもらいました。
<実習の様子・テーマの設定までの道のりなど>
8月13日の交流会に参加させていただき、里親子さん、特別養子縁組親子さんの様子や子育てに関する沢山の悩みを知りました。悩みには様々な要因があるとわかり特に「社会的な要因」の影響の大きさを再認識しました。
子育てに悩みはつきものですが、実親との違いは、その悩みを自分達の親や近所のママ友、学校の先生などに相談しても分かってもらえないことが多いということです。また、地域においても人数が少なく、どこに住んでいるか等の情報も乏しいため、当事者に相談する機会が殆どないことが現実です。そして、最大の違いは子どもの生い立ちを伝える「真実告知」があることです。当日子どもたちからは話を聞くことはできませんでしたが、学校や近所の友だちと自分の家庭が違うことや「真実告知」で伝えられた事実を受け入れ、それをどのように周囲の人に伝えるかなど、さまざまな悩みがあると感じました。親も子も同じ境遇の友だちと交流やつながりを求めていることを実感しました。
<作品タイトル>
「つながる My Book」~ともだち100人できるかな~
<作品について>
COCO PORTAさんのワークショップや交流会で出会った里子さんや特別養子縁組の親子さんたち(特に子ども)が、これからもずっとつながって、広がっていくことができるツールとして「つながる My Book」を提案します。
ワークショップでの楽しい思い出や作品の写真をスクラップしたり、シール交換をして自己紹介したり、スタンプカードで新しく増えた友だちの数を実感したりすることができるように工夫しました。また、付け替え可能な表紙は自分らしくカスタマイズできたり、カラーセラピー要素も取り入れるなど楽しさもプラスしました。そして、いつか真実告知を受ける時や、18歳になって家を出る時にも同じ境遇の友だちとつながっている「つながる My Book」が役に立てばいいなと思いました。
<全体を通してのチームの感想>
私たちはこの演習を通して様々な形で大人の援助が必要な子どもたちが沢山いることを知ったように、もっと沢山の人に知ってもらいたいと思いました。今回提案した「つながるMy Book」はCOCO PORTAさんとの関係から出会える人も含め、そこからさらに広げて行く方法も考える必要があると思っています。最終的には、子どもたちが生きやすい地域や社会を作ることであり、未来まで安心して生きていけるために必要な情報も含め社会と繋がるものにしていきたいと思いました。
COCO PORTAさんはいつでも柔軟にチームを受け入れて下さいました。毎回、その場に流れる雰囲気がとても心地よかったです。私たちはこれからも何らかの形で活動を支援したいと思っています。今回のテーマは「現場を伝えるをつくる」でした。これからは「つくったものを広げ現場を伝え続ける」ことを心に留め活動していきます。
(文責:COCO PORTAチーム)
一般社団法人 COCO PORTA
<実習先の概要>
COCO PORTAさんは、2022年2月に設立された一般社団法人です。里親養育や特別養子縁組成立後の縁組家庭支援を行い、2023年以降にはサロンを併設した新しいカタチのファミリーホームの開設を予定されています。法人の立ち上げも養育里親家庭の子どもや特別養子縁組家庭の子ども同士の交流が少ないと感じたことも、一つのきっかけだったそうです。
現在、COCO PORTAさんの多岐に渡る取り組みの中で、養育里親家庭や特別養子縁組家庭の親子を対象にアートを介したワークショップや、子ども同士のつながりを深める為の交流会などがあります。今回はそのワークショップに焦点を当てて実習をさせてもらいました。
<実習の様子・テーマの設定までの道のりなど>
8月13日の交流会に参加させていただき、里親子さん、特別養子縁組親子さんの様子や子育てに関する沢山の悩みを知りました。悩みには様々な要因があるとわかり特に「社会的な要因」の影響の大きさを再認識しました。
子育てに悩みはつきものですが、実親との違いは、その悩みを自分達の親や近所のママ友、学校の先生などに相談しても分かってもらえないことが多いということです。また、地域においても人数が少なく、どこに住んでいるか等の情報も乏しいため、当事者に相談する機会が殆どないことが現実です。そして、最大の違いは子どもの生い立ちを伝える「真実告知」があることです。当日子どもたちからは話を聞くことはできませんでしたが、学校や近所の友だちと自分の家庭が違うことや「真実告知」で伝えられた事実を受け入れ、それをどのように周囲の人に伝えるかなど、さまざまな悩みがあると感じました。親も子も同じ境遇の友だちと交流やつながりを求めていることを実感しました。
<作品タイトル>
「つながる My Book」~ともだち100人できるかな~
<作品について>
COCO PORTAさんのワークショップや交流会で出会った里子さんや特別養子縁組の親子さんたち(特に子ども)が、これからもずっとつながって、広がっていくことができるツールとして「つながる My Book」を提案します。
ワークショップでの楽しい思い出や作品の写真をスクラップしたり、シール交換をして自己紹介したり、スタンプカードで新しく増えた友だちの数を実感したりすることができるように工夫しました。また、付け替え可能な表紙は自分らしくカスタマイズできたり、カラーセラピー要素も取り入れるなど楽しさもプラスしました。そして、いつか真実告知を受ける時や、18歳になって家を出る時にも同じ境遇の友だちとつながっている「つながる My Book」が役に立てばいいなと思いました。
<全体を通してのチームの感想>
私たちはこの演習を通して様々な形で大人の援助が必要な子どもたちが沢山いることを知ったように、もっと沢山の人に知ってもらいたいと思いました。今回提案した「つながるMy Book」はCOCO PORTAさんとの関係から出会える人も含め、そこからさらに広げて行く方法も考える必要があると思っています。最終的には、子どもたちが生きやすい地域や社会を作ることであり、未来まで安心して生きていけるために必要な情報も含め社会と繋がるものにしていきたいと思いました。
COCO PORTAさんはいつでも柔軟にチームを受け入れて下さいました。毎回、その場に流れる雰囲気がとても心地よかったです。私たちはこれからも何らかの形で活動を支援したいと思っています。今回のテーマは「現場を伝えるをつくる」でした。これからは「つくったものを広げ現場を伝え続ける」ことを心に留め活動していきます。
(文責:COCO PORTAチーム)
講師プロフィール
建築家/teco