日比野 和雅 Kazumasa Hibino
1964年京都府生まれ。NHKプラネット近畿総支社番組制作センター統括部長/エクゼクティブ・プロデューサー。1990年に入局後、美術や福祉の番組を多数手がけ、2012年に『バリバラ』を立ち上げる。現在は『こころの時代』などを担当。
- 必修科目
- ダイバーシティ実践論
2018
1/22
【公開講義】 アーティストの活動・文化事業から考える10「福祉の課題をクリエイティブにプロデュースする方法」
講師:
日比野 和雅(NHKプラネット近畿総支社番組制作センター/NHK Eテレ「バリバラ」元プロデューサー)
日比野さんはNHKEテレで、障害など生きづらさを抱えるマイノリティにとってのバリアをなくすための番組「バリバラ」の元プロデューサーです。この番組をスタートするにあたり目指したのは、「かわいそう」、「不便」という障害者のイメージを覆すことでした。これまで障害をテーマにした番組はドキュメンタリーの手法を取ることが多い中で、「当事者発信」「バラエティ番組」というこれまでにない伝え方を試みます。
講義では、以前放送された「LGBT温泉旅」の企画を見ました。そこあったのは、頑張る姿や支える仲間との感動ストーリーではなく、笑いでした。男湯・女湯のどちらしか選べない状況で当事者たちが示す様々な反応。そこから受講生たちは、ほんの一部ではあるけれど、彼らの気持ちや生きづらさを具体的に理解し「どう接すれば良いか」「社会がどうあれば暮らしやすいか」を意識したようです。
バリアをなくし、多様性を認める社会を目指しながら、LGBTや障害者だけの番組は必要なのでしょうか。日比野さんは「相手を理解して初めて、多くの視聴者に理解してもらうためのアプローチを探ることができる」と述べ、区別することで、違いを正しく認識できる側面もあると語りました。正しく理解して初めて「自分は何ができるか」を考えられる。これは番組の製作に限らず、福祉の課題に向き合う自分たちの姿勢にも当てはまると感じました。
講義では、以前放送された「LGBT温泉旅」の企画を見ました。そこあったのは、頑張る姿や支える仲間との感動ストーリーではなく、笑いでした。男湯・女湯のどちらしか選べない状況で当事者たちが示す様々な反応。そこから受講生たちは、ほんの一部ではあるけれど、彼らの気持ちや生きづらさを具体的に理解し「どう接すれば良いか」「社会がどうあれば暮らしやすいか」を意識したようです。
バリアをなくし、多様性を認める社会を目指しながら、LGBTや障害者だけの番組は必要なのでしょうか。日比野さんは「相手を理解して初めて、多くの視聴者に理解してもらうためのアプローチを探ることができる」と述べ、区別することで、違いを正しく認識できる側面もあると語りました。正しく理解して初めて「自分は何ができるか」を考えられる。これは番組の製作に限らず、福祉の課題に向き合う自分たちの姿勢にも当てはまると感じました。
講師プロフィール
NHKプラネット近畿総支社番組制作センター/NHK Eテレ「バリバラ」元プロデューサー