野崎 美樹 NOZAKI Miki
University of Leicester にてMA (Art Museum and Gallery studies) 修了。2011年より群馬県にてアーツ前橋(当時、前橋市 美術館開設準備室)に学芸員として勤務。教育普及、ボランティア育成、コミッションワーク制作を担当しながら、地域と密接なつながりを持つ美術館の立ち上げに携わる。その後、川崎市岡本太郎美術館の教育普及担当学芸員として学校や教員向けプログラム、乳幼児~大人を対象とした各種ワークショップ・ガイドツアー等を企画。2015年8月より現職。障害の有無にかかわらず市民を巻き込んだプロジェクト型作品の制作、アートの現場のアクセシビリティ向上のための研究・人材育成に取り組む。
- 必修科目
- ダイバーシティ実践論
2018
1/15
アーティストの活動・文化事業から考える9「スローレーベルの活動について」
講師:
野崎 美樹(SLOW LABELプロジェクトマネージャー/コーディネーター)
知らない世界に出会いたい、というきっかけで障害とアートの領域に飛び込んだ野崎さん。
ヨコハマ・パラトリエンナーレを中心にお話いただきました。
ヨコハマ・パラトリエンナーレは、障害と多様な分野のプロフェッショナルによる国際アートフェスティバルとして、2014年に始動、現在までに2回開催されています。アーティストと障害を持った方がコラボレーションし作品を作る、発展進行型プロジェクトです。
初回の2014年は課題が多いものだった、と野崎さん。障害を持つ方がワークショップやパフォーマンスに参加する上でのアクセシビリティの課題を3つ挙げました。情報が届かない、会場へ一人でいけない、そして、自分にはできないという意識の壁があるということ。この意識の壁を変えられるよう、安心して参加できる環境の必要性に気づいたそうです。
2014年を踏まえ、人と技術の開発を通じた環境を整えるために2つの役割を作りました。
一つ目が、舞台に上がるまでのサポートをするアクセスコーディネーター。出演したい人に事前にヒアリングをし、その日の様子・精神面を見て、必要な対応や情報を届けます。
二つ目に、創作の可能性を一緒に広げる伴奏者としてのアカンパニスト。出演者それぞれの障害を含めた個性を表現の中に取り入れ、かつ創作する中で起こる物理的・心理的な困難を、創作者という同じ立場で寄り添いながら乗り越える方法を一緒に探リます。
こうした主体的に創作の場づくりを担う存在ができることで参加する道筋ができたそうです。
2017年の開催では今までの取り組みによって、やっとスタートラインに立てたと野崎さんは振返ります。「100人、200人規模の作品ができるようになったが、常に当たり前を崩しながらやらないとできないプロジェクト。固定概念を脇において、目の前で起きていることに注視する。自分を一旦崩す事を楽しみながらやることが求められる。活動に正解はない。関わりを希望する当事者やアーティスト、来場者を受け入れ、ともに考えていくことでつくっていく。」と語りました。
ヨコハマ・パラトリエンナーレを中心にお話いただきました。
ヨコハマ・パラトリエンナーレは、障害と多様な分野のプロフェッショナルによる国際アートフェスティバルとして、2014年に始動、現在までに2回開催されています。アーティストと障害を持った方がコラボレーションし作品を作る、発展進行型プロジェクトです。
初回の2014年は課題が多いものだった、と野崎さん。障害を持つ方がワークショップやパフォーマンスに参加する上でのアクセシビリティの課題を3つ挙げました。情報が届かない、会場へ一人でいけない、そして、自分にはできないという意識の壁があるということ。この意識の壁を変えられるよう、安心して参加できる環境の必要性に気づいたそうです。
2014年を踏まえ、人と技術の開発を通じた環境を整えるために2つの役割を作りました。
一つ目が、舞台に上がるまでのサポートをするアクセスコーディネーター。出演したい人に事前にヒアリングをし、その日の様子・精神面を見て、必要な対応や情報を届けます。
二つ目に、創作の可能性を一緒に広げる伴奏者としてのアカンパニスト。出演者それぞれの障害を含めた個性を表現の中に取り入れ、かつ創作する中で起こる物理的・心理的な困難を、創作者という同じ立場で寄り添いながら乗り越える方法を一緒に探リます。
こうした主体的に創作の場づくりを担う存在ができることで参加する道筋ができたそうです。
2017年の開催では今までの取り組みによって、やっとスタートラインに立てたと野崎さんは振返ります。「100人、200人規模の作品ができるようになったが、常に当たり前を崩しながらやらないとできないプロジェクト。固定概念を脇において、目の前で起きていることに注視する。自分を一旦崩す事を楽しみながらやることが求められる。活動に正解はない。関わりを希望する当事者やアーティスト、来場者を受け入れ、ともに考えていくことでつくっていく。」と語りました。
講師プロフィール
SLOW LABELプロジェクトマネージャー/コーディネーター