2024度の選択科目「ドキュメンタリー映像演習 」では、谷中・根津・千駄木〜日暮里周辺の5つのお寺に半年間ご協力いただき、社会人と藝大生の混合チームで映像作品を制作しました。2月11日、取材先の1つでもある「寶珠山 延命院」の本堂にて上映会を開催しました。
東京藝術大学 Diversity on the Arts Project
ドキュメンタリー映像演習 学外上映会
「お寺がある 〜私たちと僧侶たちの交換日記(ドキュメンタリー)〜」
2025年2月11日(火・祝)
会場:寶珠山 延命院(東京都荒川区西日暮里3丁目10−1)
入場無料・予約不要(30分前より入場可)
午前の部 10時〜11時30分
午後の部 13時〜15時30分
監修: 森内康博(東京藝術大学 非常勤講師/映像作家・らくだスタジオ代表)
某月某日 ロケハン
待ち合わせの時間には幾分の余裕があったので、何となしに一つ手前の駅の裏口から降りて、
散歩がてら勘を頼りに歩いてみたが、結局道に迷ってしまった。
狭い路地で郵便配達車とすれ違う。晩夏の谷中。それにしてもこの辺りはお寺が多い。
取材先の寺の名前を幾度も確かめて、開いた山門をくぐると、ひんやりした清風が汗を拭ってくれる。
境内を見渡しても、大木の下で休むお地蔵さんと整列した手桶が並ぶだけで人影はない。
おそらく彼らは先に中へ入ったのだろう。
本堂の細く開いた障子戸から中を覗いてみるが、ここも静まり返っている。騒がしい蝉だけが止まない。
お堂から流れ出た線香の香りは、これまでに自分が立ち会った葬儀<近しい人の死>の記憶をぼんやり呼び覚ます。
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先週の大学の授業で、社会人受講生と混合の映像制作グループが決まった。
私たちはこれから半年間「お寺」に通ってドキュメンタリー映画をつくることになる。
午前の部と午後の部に分けて、合計5作品の上映を行いました。本堂をお借りしての上映では、音響が心地良く響きわたり、まさに取材先のお寺の日常を感じながらの上映となりました。
上映の後に制作チームとお寺の皆さんと森内先生とでトークを行うスタイルです。制作秘話や、感想なども話され、会場からの質疑応答が行われたり、和やかな時間が生まれました。
各回の最後には、近くのひとと感想のシェアの時間を設け、初対面の皆さんでしたが、作品を見て感じたことなどを積極的に話されて、交流の場が生まれました。終了のアナウンスをしても止まらないくらい、お話しが盛り上がっていました。
この日の最後に、延命院のご住職より総評をいただき「この経験を活かしてほしい」とエールを送っていただき、幕が閉じられました。
午前午後を合わせて、約50人の方に来場いただき、受講生や藝大生と一緒に上映を体験。大盛況の1日となりました。アンケートにもたくさんの感想が寄せられ「なかなか知ることのできないお寺やご住職の日常を知ることができた」と、熱いメッセージが寄せられました。
約半年にわたる取材にご協力いただいた、関妙山 善性寺、運立山 養傳寺、寶珠山 延命院、稲附山 法真寺、運啓山 修性院の皆さま
貴重な体験をさせていただき、ありがとうございます。
そして、受講生・藝大生の皆さん、素晴らしい作品をありがとうございます。
1年間、お疲れ様でした!