VOICE①
瀬川陣市さん(5期生)
(職業:フォトグラファー/2021年度受講)
福祉が身近でない人にも、アートを勉強したい人にとっても役立つことがあります
①DOORプロジェクトへ参加した(知った)きっかけ
普段行かない近所の図書館に行ったらそこにDOORの募集リーフレットが置いてあり、それを持ち帰って家でじっくり見たというのがきっかけです。私は職業がフォトグラファーなのですが、もともと現代アートをいま一度学び直したいと思っていて、それがDOORに興味を持つところと合致しました。
芸術については現代アートを学びたかったので合致しているのですが、福祉は未知の領域だったんです。福祉に関するものというのは今までタッチしたことがなくて。そんなときに、DOOR公開講座で日比野先生と国谷裕子さんの「SDGsのゴールに芸術がなぜないのか」という対談を拝見しました。この話を聞いて、これまでずっと福祉という言葉の定義にとらわれていたのだけれども、SDGsという観点で見てもDOORはいけるんだなと自分で解釈しました。この講義を聞いてDOORに応募しました。
②印象に残っている講義や実習
講義では福祉の多方面からいろんな分野の方が登壇されています。どの方も最終的にアートに寄せて結論付けてくれたり、アートに寄せた話をしてくれるんですね。そうすると、私のように福祉が遠い人間に対しても非常に話が分かります。アートを勉強したいという人にとっても非常に役立つことがあります。
アーティストの方も多く登壇されるので、そういった中で自分に引っかかるキーワードが授業の中でたくさん出てきて、そこからもう一度自分でリサーチをして、自分の世界が広がる。よく考えてみるとアートは生活の中にあるということが分かったので、そういった意味でも授業を受けて非常に良かったなと思っています。
特に印象に残っている授業は、夏季集中講義のアートプロジェクト実践論。現代アートを学んでみたい、また、アーティストとして活動したいという気持ちがあったので、これは非常に良かったです。午前中から夕方まで6、7時間くらいぶっ通しでやる授業で、それが毎週、月4回ある授業です。時間の経過を感じさせない、非常に中身が濃い授業でした。アールブリュットとは何かという話から、アートプロジェクトの立ち上げ方、そして終わらせ方という一連の流れを教えてもらいました。僕にとっては一番印象に残る授業でしたね。
(2022年1月17日 公開講座トークセッションより)
VOICE②
古本藍子さん(5期生)
(職業:システムエンジニア/2021年度受講)
あまり難しく考えずにやってみれば、自分のやり方を見つけて受講できるんじゃないかなと思います
①DOORプロジェクトへ参加した(知った)きっかけ
まずDOORに入ったきっかけなんですけども、
②印象に残っている講義や実習
実際に授業を受けてみて私が印象に残ったのは、
チーム内の議論では、「そもそも家族ってなんだろう?」とか、
③仕事とDOORプロジェクトの両立について
最後は仕事との両立というところなんですが、
(2022年1月24日 公開講座トークセッションより)
VOICE③
田勢俊明さん(5期生)
(職業:団体職員/2021年度受講)
全国の同じモチベーションを持つ仲間たちと出会えました
①DOORプロジェクトへ参加した(知った)きっかけ
元々アートと福祉に興味があったのですが、福島県の猪苗代町のはじまりの美術館でDOORのチラシを見て、自分の興味にドンピシャですごく面白そうだと思ったことです。当時は地元の食品メーカーでマーケティングやデザインの仕事をしていたのですが、福祉業界への転職も考えていて、そのきっかけや専門的な学びをDOORで得たいと思っていました。受講生の中にはアートや福祉の現場で働いてる方もいらっしゃると思い、そういった繋がりもできればと思っていました。チラシを見たときは募集締め切りが過ぎていたんです。残念だな、また来年かなと思っていたのですけれど、ネットで調べたら2次募集をやっていて、これは自分のために延長してくれているんだと思い、即申し込みさせてもらいました。
②印象に残っている講義や実習
特に心に刺さった授業はアートプロジェクト実践論です。京都のみずのき美術館のキュレーターの奥山理子先生の授業です。奥山先生はキュレーションだけではなく、アートプロジェクトを通じて地域社会を開いていくような活動も多数されている方です。これまでの経緯やプロジェクトのコツ、そして現場での失敗、そういったものを含めて自らアートプロジェクトを運営してきた当事者として、すべてさらけ出して教えていただきました。授業では全国のアートプロジェクトを調査するワークや美術家の小山田徹さんのトークイベントもあり、多角的にアートプロジェクトを知ることができました。奥山先生自らの経験と知見をしっかりと伝え、次に繋げていこうという熱意と姿勢に本当に感銘を受けました。その後、受講生同士でみずのき美術館に見学に行き、実際に生の作品を鑑賞して奥山先生からさらに深くお話を聞いたりもできました。
③仕事とDOORプロジェクトの両立について
講義の日までに仕事を早めに片付けたり、家庭でも早めに帰宅して家事をこなして授業に着くとか、そういったことで授業を受講することができました。結局はどれだけ本気になれるかということなのかなと思います。受講が始まってから予想以上にのめり込みましたし、実際に価値があるプログラムだと心底思うんです。私は福島県在住なので、ほぼオンラインでの受講でした。授業で藝大のキャンパスには一度しか行ったことがありませんが、そこに制約や不足を感じることはなく、実際に講義室の最前列で授業を受けているような感覚でした。全国の同じモチベーションを持つ仲間たちと出会えたというメリットをオンラインでの受講で強く感じています。
DOOR全体を通して、ある授業を受けて学んだことが他の授業でも自分の中でリンクしていくようなことがよくありました。単発のセミナーなどだとどうしても一過性で、自分の中に残るものが薄い感覚があったのですが、DOORではいろんな授業のエッセンスが自分の深い部分に残って一つの塊になっていくイメージがあり、とても興奮する楽しい体験でしたね。授業後に受講生同士でZoom上で集まって授業の感想や意見などをディスカッションする場を作って、そういった繋がりもどんどん濃くなっていきました。皆さんにもぜひDOORをノックして、新しい学びと新しい仲間を作っていただければ良いなと思います。
(2022年1月24日 公開講座トークセッションより)
VOICE④
浅野聡子さん(5期生)
(職業:無職/2021年度受講)
DOORを受講したら、自分の中のスイッチがONになりました
①DOORプロジェクトへ参加した(知った)きっかけ
たまたまFacebookで二次募集を見かけたのがDOORを知ったきっかけです。アートも福祉についても素人ですが、障碍者アートが好きな事もあり、受講を決めました。
②印象に残っている講義や実習
DOOR受講でスイッチON
自分の世界から自分自身を引くと、そこに残っているのはアートなのではないか?
多くの人は、自分が生み出したアートと一体になっている。
なぜなら、自分が生み出したアートを駆使して、日々を生き抜いているからだ。
自分とアートは不可分なので、殊更、分けて考える事をしないのだ。
それが顕著に表れているのが、生き辛さを抱えた人たちなのではないか?
みな、生き延びるために、日常の負荷を減らすために試行錯誤している。
日々、自分を生かす為の、毎日を生きやすくする為の、様々な様式を編み出している。
それに掛ける膨大なエネルギーを知る時、その直截な七転八倒に触れる時、人はその事実に圧倒される。そして、自分の何処かでスイッチが入る。
かく言う自分も、DOOR受講でスイッチが入った一人です。
多彩な講義と講師陣と書くと平板な印象を持たれるかと思いますが、DOORの向こうは福祉とアートの暴風雨!起動スイッチが雨後の筍のように生え出ますのでお楽しみに!!
今までの修了生は「今期の講座、めちゃめちゃ充実してた!」と感じていたと思いますが、2021年も大充実だったので、是非アーカイブも視聴して頂きたいです。
VOICE⑤
大川よしえさん(5期生)
(職業:薬剤師・アートコミュニケータ/2021年度受講)
アートで工夫をすることで、誰かのチャレンジを応援できることがある
①DOORプロジェクトへ参加した(知った)きっかけ
受講したきっかけのひとつはオンラインでも受講ができるという点です。もうひとつは、子どもとその家族、また医療を必要とする人たちにアートとの関わりってどんなことがあるんだろう、と深掘りして勉強したいと思ったからです。私は東京都美術館と藝大が行っているとびらプロジェクトのアートコミュニケータ(とびラー)として美術館での活動経験があります。それまでは主婦としての生活が長く、何か課題を抱えると一人で悶々とすることが多かったのですが、活動の中で出会う人たちとのつながりの面白さ、様々なスキルから非常に刺激を受けました。作品の対話型鑑賞やワークショップを行う際も、どんな方が参加されるかということを考えながら、安心してコミュニケーションがとれる場を作っていくということも学びました。その後とびラーを卒業して自分たちの活動の場を求めていく中で、ちょうどコロナ渦になってしまいました。しばらくすると世界のいろんな美術館がオンラインで作品の情報を提供するようになり家にいながら作品を楽しめるようになり、それならばオンラインでの鑑賞会が場所を気にせずできるのかな、ということで医療に関わる方々のグループや障害をお持ちのお子さんや親御さんと一緒に鑑賞会を実施。それとは別に、ソフト開発をする人たちとツールを開発中なのですが、これはアート作品をマッピングしてあるので出かけることができない人でも利用できるものにもなっています。そんなことを考えているうちに、もっといろんなことを勉強しなきゃいけないな、背景にある病気だったり、置かれている環境だったりをもっと学びたいと思い、現在DOORを受講しています。
②印象に残っている講義や実習
どの授業も当事者のリアルな声を聞けて心がはっとすることが多く興味深く受講できました。印象に残った授業はいくつかありますが、木炭デッサンの授業で藝大生のように手を動かす体験ができたことは面白かったです。一番インパクトがあったのはプログラム実践演習です。サッカーの天皇杯に向けて、感覚過敏がある子どもたちが安心してサッカー観戦できる環境を整えるという授業です。私たち受講生だけでなく、日比野先生やデザイン科の橋本和幸先生、子どもたちを見守る専門の方たちと一緒にアイディアを出し合ってものを作っていく。制作したプロトタイプからさらに実際使えるものに仕立て上げていくという一連の流れを体験できたことはすごく勉強になりました。12月19日の天皇杯当日、非常に楽しみに来てくれたお子さんやご家族の様子を見たら、こういったアートで工夫をすることでなにか誰かのチャレンジを応援できることというのはあるんだなと実感しました。今、病院で働いているんですけれども、いろんな場面で子どもたちを応援できるような展開をしていきたいなと勇気をもらいました。
③仕事とDOORプロジェクトの両立について
DOORに出願書類を送ったときには就活中でした。DOORの受講がスタートした後に新しい仕事が決まり、最初は両立に不安もありました。ですがなんとか一年続けることができました。学びからの視点が増え、仕事や暮らしの中での気づきになることが面白かったからです。DOORが気になる方は、ぜひ一歩踏み出して授業を体感していただければと思います。