【変化するパブリックアート】「WORLD PEOPLE CUP」東京藝大 国際交流会館 への設置

プログラム実践演習で制作したCUPが、「アジア代表日本2022」で制作したCUPとともに、変化するパブリックアートに設置されました。

 

 

WORLD PEOPLE CUP」は、アジアの国々をイメージ・テーマとしたCUP(器)を「想いが宿るモノ」と捉え、カタールW杯アジア最終予選に参加した46カ国が、自国の文化を携えて世界に向かう気持ちを「優勝杯」という形で表現しています。この作品は、天草の磁器土が主な素材ですが、自分自身の縁のある場所の土などを素材として混ぜ合わせることで、離れた地域の想いが繋がっていきました。制作されたCUPは、野焼きによってそれぞれ異なる形や色彩となり、世界にひとつしかないCUPとなりました。一連のワークショップは「アジア代表日本2022」で始まり、東京藝術大学DOORの授業、天草大陶磁器展で行われ、約900個ものCUPが制作されました。パブリックアートではこれらの作品の一部を、白磁の陶板(丸尾焼制作/天草市)と合わせて設置しています。

 

 

WORKS

 
変化するパブリックアート「WORLD PEOPLE CUP」(日比野克彦とDOOR)
作品制作
プログラム実践演習履修者(2022年度)
東京藝術大学学生
あまり粘土クラブ(DOOR4期)
「アジア代表日本2022」ワークショップ参加者(太宰府市民/太宰府天満宮参拝者他)
|ワークショップアーティスト:布下翔碁 
|コーディネート:新妻葉子
|授業進行:田中一平、高橋美苗、藤田まり
|陶板制作:丸尾焼(天草市/熊本県)
|インストール:玉置プロダクション
|協力
「アジア代表日本」実行委員会
東京藝術大学美術学部工芸科陶芸研究室
東京藝術大学美術学部工芸科鍛金研究室
Salon de Vert(小諸市/長野県)

 

ワークショップアーティスト:布下翔碁

東京藝術大学の博士課程に在籍中、同大学漆芸研究室で研究生として漆について学んだ経験から、焼物と漆の技術や知識が融合した表現活動を行なっている。近年では、博士学位論文で自身の技法を「陶𡑮」と定義することで、より焼物と漆が混じり合った作品へと展開している。一方で、伝統工芸とアートプロジェクトが相互に作用した表現活動によって、現代の多様化し複雑化し続ける社会の抱える問題に、新たな視点からのアプローチを試みている。

布下翔碁_instagram

 
 
 
「アジア代表日本」とは
「アジア代表日本」は九州・太宰府の地が日本におけるアジアの玄関口であったという地理的、歴史的なことを背景として2006年に生まれました。「アート×スポーツ=コミュニケーション」をテーマとし、FIFAワールドカップが開催される年、つまり4年に一度、太宰府を中心にこれまで活動してきました。2022年はFIFAワールドカップカタール大会が開催され、日本はアジア代表として7大会連続で出場することになりました。「アジア代表日本」はサッカーを文化として応援する市民参加型のアートプロジェクトを展開し、アジアの文化を多くの人々と共有してワールドカップを迎え、「文化」を「サッカー」を「九州」を盛り上げていきたいと考えています。
 
作品制作ワークショップ「WORLD PEOPLE CUP」
▼「アジア代表日本2022」
|作品制作
 
日程:2022年4年8月1日(月)~8月12日(金)/ 8月20日(土)~9月4日(日)| 時間:10:00~16:00| 
場所:太宰府天満宮 旧東屋(九州国立博物館エスカレーター前広場そば)
太宰府市内から採集した原土を、水簸(粘土の精製方法のひとつ。採取した原土を水でかき混ぜて余分なものを取り除く作業)作業を行い、天草の磁器土と混ぜ合わせて作品を制作しました。
 
 
|野焼き
 
日程:2022年4年10月16日(日)
場所:太宰府市民の森キャンプ場(太宰府市/福岡県)
ワークショップで制作された、623個ものCUPを、太宰府市民とともに野焼きしました。今回は、「野焼き」と「黒陶焼き」の2種類で行うことで、風合いの異なるさまざまな色彩のCUPが生まれました。
 
 
 
プログラム実践演習
|作品制作
 
期間:2022年4月〜12月|場所:東京藝術大学取手校地、オンライン
陶芸の基礎についての講座からスタート、土づくり、カタールW杯アジア最終予選に参加した国々の文化にまつわるリサーチ、作品制作、野焼きという一連の作業を通して、アートプロジェクトのプロセスを体験しました。
 
 
 
|野焼き
 
日程:2022年10月8日(土)/10月30日(日)
場所:東京藝術大学取手校地(取手市/茨城県)
取手校地に穴を掘り、その穴の中で、プログラム実践演習の授業内や、あまり粘土クラブで制作された作品を野焼きしました。燃料となる薪も取手校地で伐採された木材を活用して行いました。
 
 
 
天草大陶磁器展
|作品制作
 
日程:2022年11月3日、4日|時間:10:00-16:00|
場所:天草市民センター特設会場
天草陶石が採れる地域で、その地域の陶芸家の作品を日本全国に発信していく「天草大陶磁器展」で、ワークショップを行いました。地域のサッカークラブの子供たちなど、大勢の天草市民の方々にご参加いただきました。
 
 
展覧会 「アジア代表日本2022」WORLD PEOPLE CUP
 

 

一つ一つの作品はこちらからご覧ください!

 
|会期:2022年4年11月29日(火)〜12月11日(日)*月曜日休館
|会場:九州国立博物館 エントランスホール
|総合企画演出:日比野克彦
|ワークショップアーティスト:布下翔碁
|主催 :「アジア代表日本」実行委員会
 
 

各地のワークショップでつくられたカップを紹介します!