第48回定例会 障害のある子の子育てについて+インクルーシブな世の中について語ってみよう

NEXT DOOR世話人

開催日:2024年7月20日(土)

NEXT DOOR第48回定例会は、6期生の富岡さんにご登壇いただきました。

富岡と申します。東京都在住の会社員で、知的障害のある息子と夫の3人家族です。これまでDOORでは福祉業界やアートに携わるさまざまな方のお話を聞く機会がありましたが、「障害のある人の保護者」の立場から情報を発信する機会は少ないと感じていました。そこで、「障害のある子の子育てについて+インクルーシブな社会について語ってみよう」というテーマで、修了生のみなさんとお話ししてみたいと手を挙げました。

息子は1歳から保育園に通い、区立の小中学校の支援学級に進みました。学童にもお世話になりながら、高校生となる現在まで、周囲の方の理解に恵まれ朗らかに成長しています。私もまた、息子が生まれ、障害があることがわかってから、たくさんの方と関わり、支えられながら日々を過ごしていくうちに、いつしか私自身も微力ながら支える側にもなりました。障害のある子を育てるうえでどのような環境であったか、気づいたことや学んだことについて具体的に共有しました。

一方で、遊園地でアトラクションの乗車を拒否されるといった理不尽な経験もありました。その際は、地域の「親の会」や東京法務局などに相談し、解決に至りました。自分の子どもが不利益を被ったときに、周囲とつながって解決することは、同じように困っている他の子どもにとっても、より良い環境を整えることにつながります。困ったときに1人で抱えず、相談すること、そして相談できる人や公的機関があることの大切さを実感しました。
また、息子が高校生になると環境に変化が生じることもあり、その概要についてもお話ししました。高校卒業後の将来に対する不安やモヤモヤもオープンにし、修了生のみなさんと意見交換することができました。

学校、行政サービス、地域と保護者が結びつくことで、障害のある子どもやその家族にとって「地域」がより生きやすい場所になると私は考えています。しかしながら、その実現が難しい地域も多いのが現状です。また、共働き家庭が増えている昨今、地域や学校とのつながりを築く余裕がない保護者も少なくありません。すぐに解決することは難しいかもしれませんが、NEXT DOORの定例会でこのテーマを発信したことで、修了生同士の新たなつながりを作ることができたと感じています。

最後に、インクルーシブな社会の実現に向けた身近な活動や事例も紹介しました。最近では、当事者団体や保護者が中心となって情報発信するだけでなく、NPOのイベントや福祉事業所、自治体などが障害のある人の社会参加を促し、地域での活躍の場を広げる取り組みも見られるようになりました。DOOR修了後に関心を持って訪ねたアートプロジェクトでは、なんとDOOR1期生が立ち上げに関わっていたというご縁もありました。
これらのことは障害のある当事者や保護者にとって大きな希望となっています。

障害のある人がどこでも共に暮らしやすい社会になりますように!(6期富岡)