第17回定例会 アーティストトーク:集いが生み出す新たなプロジェクト
開催日:2021年10月24日(日)
NEXT DOOR第17回定例会は、4期生の尾形さんに登壇いただき、アーティストトークと交流ワークショップを行いました。弱冠20歳の現役藝大生アーティスト尾形さんの、自在で独特な唯一無二の作品群をたっぷり堪能した後は、3月に出版した「おじさん日記」から厳選したシュールな絵を味わうワークショップで盛り上がりました。
子どもの頃はサッカー少年だった尾形さん。図工の時間にケチャップとマヨネーズを擬人化したユニークな絵を描くなど、早くからアーティストの片鱗も見せていました。中学に進学後も陸上競技など体育会系の生活を送っていましたが、河鍋暁斎の展示を観たのがきっかけでアーティスト魂に火が付き、筆ペンを取って山水画風の海老の絵を描き上げます。
高校に進むと、学校の敷地内にある文化財建築、清明亭の屏風絵制作の依頼をお茶室の先生から受け、制作。その作品が文化祭に展示されたことで、アーティストの道を進むことを決意します。地元・田町の居酒屋で小学校のサッカーチームの恩師との再会を機に、社会の中で懸命に生きる愛すべきおじさんに注目し、その生態系を愛ある眼差しとユーモラスな画風で描いた「おじさん日記」につながるモチーフが生まれていきます。
東京藝大に進学後は、お寺や銭湯など、ホワイトキューブではない社会との接点におけるアートの可能性を探求する想いはますます強まり、コロナ禍におけるDOOR受講を経て、似顔絵、御朱印原画、壁画など、活動の幅を縦横無尽に広げます。
自らの人生のストーリーと連動した作品群の変遷や進化を辿る朴訥とした語り口に、参加者も思わず引きこまれ、刺激的な時間となりました。
参加者からの熱い質問やリクエストにも一つひとつ丁寧に答える尾形さん。
最後はブレイクアウトルームに分かれてオリジナルの「おじさん日記」をつくるスペシャルワークを実施。迷解答・珍解答が続出する中、尾形さんも各ルームを数分ずつ「飛び」回って皆で交流を楽しみました。記念写真のキメは、おじさんの「抜け殻ポーズ」で!にぎやかな時間を締めくくりました。(世話人安東)