第33回定例会 修了生のアトリエ特集

NEXT DOOR 世話⼈

開催日:2023年3月25日(土)

NEXT DOOR第33回定例会は「アトリエ特集~修了生のアトリエを覗いてみたら~」と題し、様々な期のアトリエやお教室を主催する修了生4人に登壇いただき、ワイワイとにぎやかな雰囲気で開催しました。

まずは4期生川上から「カラフルアートワーク ~自分を好きって気持ちがいい!~」。
DOORで繋がったご縁から若者の居場所にて開催するようになったアートワーク。日頃カラフリストとして活動しアートワークでもカラフルな素材を用意しているものの、この場では心理分析等は一際せず、うまく創ることよりその過程を楽しむこと、場の共有そのものを大切にしたワークに取り組んでいます。
自己内省→自己受容→自己肯定→自己信頼=社会への信頼と期待の課程の一環として、安心して自分の”好き”や”楽しい”と同時に、時には”違和感”をも表現できるよう、参加者に合わせた場作りを心がけています。
今回はクレヨン等の画材を使って潜在意識に潜む負の感情解放のワークも行いました。

次は、1期生の樽井さんによる「大人も子どももそれぞれが自分らしくいる為のツールとしてのアート」。
自宅の一階を開放し、一般社団法人こどもとおとなのあそびとたいわを運営している樽井さん。大人でも子どもでも、誰かに「○○やろう!」と誘うには、提案する側もされる側も多大なエネルギーを必要とします。ここではもっとゆったりと、ただそこに在ることに価値を見い出そうとしているそうで、スライドでも活動の土台には穏やかな日常の空気がある様子がよく窺えました。
活動は発案も参加も子どもたちの自主性に任せています。リスクの有るものにより興味を示したり、直接顔を合わせていない誰かが作った作品にも影響を受けたり、想定外のおもちゃの使い方が流行ったり、そんないわゆる「子どもらしさ」がこの場所で多く見受けられるのは、通ってくる子どもたちが心を開いている証のように感じられました。

続く3期生西野さんは「子どもたちに表現する意欲と色の豊かさを育てる教室を主宰~13年」。
西野さんはatelier neroを主催し、園児から社会人、高齢者まで幅広い方々にアートの楽しさとそれによってもたらされる人生の豊かさを、13年提供しています。西野さんにとってアートは目的ではなく、あくまで表現するためのツールだといいます。
特に子どもはリラックスしてくると描きながら何やら呟いたり鼻歌を歌ったり。楽しんでいる様子が表に出やすいそうです。ある障害を持つ子どもによる、絵の具をキャンバスいっぱいに幾重にも重ね塗り、更にはクレヨンまで使って渦を重ね続けた終わりのないアート表現の「完成時」という貴重な瞬間も紹介してくれました。
表現とは自己肯定であり同時に他己肯定でもある。表現に正解はなくその全てが素晴らしいもので、それが日常の一部になればこれからますます多様化する時代にも溶け込みやすくなるのでは、と西野さんは話してくれました。

大トリは4期生渡邊さんによる「あまり粘土クラブ~はじまりとこれから~」。
4期は「コロナ元年」に当たり、急遽、授業のほとんどがオンラインでの受講となりました。そのため同期となかなか会えず、直に意見を交換したい!と皆が思っていました。
そんな時、「あがの陶房」を主催する渡邊さんのもとに授業で使った粘土の余りを使って陶芸をやれないかという声が上がり、初めは口コミで開かれた会でしたが、URaKIDo(4期の集まり)のSNSを利用した活動告知を経て、様々な立場の同期生が集うクラブへと進化していきました。
参加は自由。作るものも自由。お喋りだけして作らなくても、それも自由。
次第に個々の活動や興味のある事への情報共有の場となり、互いの結びつきも深くなっていきました。
無理のないペースで緩やかに続けてきたクラブですが、2022年には「WORLD PEOPLE CUP」のトロフィー制作WSに参加するなど、交流と作る楽しさの両面において深まりを見せています。粘土の可能性を含め、これからますますクラブの広がりが期待できそうです。(世話人川上、川原)