「子どもとともに。〜一般社団法人子どもの声からはじめようの活動〜」


「一般社団法人子どもの声からはじめよう」は、子どもたちの気持ちや意見を聴き、子どもがその思いを伝えたい相手に伝えることを支える「子どもアドボカシー」を学ぶ講座の提供や児童相談所等への訪問アドボカシー、普及啓発活動に取り組む団体です。
子どもアドボカシーは主に、社会的養護の子どもたちのもとに「アドボケイト」と呼ばれる聴き手が出向き、親や施設職員などではない、利害関係のない第三者的な立場として、子ども気持ちや意見を聴く実践として、全国各地で取り組みが進んでいます。子どもの側に立って、子どもの思いをなかったことにならないように、子どもと対話しながら、子どもの思いを周囲に伝えていきます。
私はDOORを修了した翌年(2023年)の春にアドボケイトになりました。一時保護所と呼ばれる児童相談所に保護された子どもが一時的に生活する場所に訪問する活動に参画しています。
このきっかけになったのが、2022年度ダイバーシティ実践論の授業で講師だった川瀨信一さんとの出会いです。
川瀨さんの授業では、「子どもも一人の権利の主体であること」「虐待など様々な理由で、その権利が守られていない状況下にいる子どもがいること」など、子どもアドボカシーの実践や、その実践が必要とされる社会的な背景について教えていただきました。授業を受けるまで、虐待の問題や社会的養護の子どもがいることは、自分からはなんとなく遠い世界の話と感じていたけれど、同時期にケア実践場面演習の選択授業で児童養護施設への訪問をさせていただいていたことも重なり、ただ見えないこと、知らないことになっていただけで、自分の身近にあることなのだと感じるようになりました。
「授業で聞いた話をもう少し知りたい」という気持ちで、一般社団法人子どもの声からはじめようが開催しているアドボケイトの養成講座を受講しました。その講座で出会った人たちに背中を押していただき、川瀨さんの団体で活動しています。今では、同じDOOR6期生や友人がアドボケイトになったりと、少しずつではありますが、私の身近な人たちにも、アドボカシーの輪が広がっています。
日本が、子どもの権利条約に批准して30年以上経ち、たくさんの人たちの尽力があり、制度・法律の制定・改正され、少しずつ子どもの声を聴く取り組みが進められてきました。ですが、福祉・教育など分野を超えて「子どもが意見を表明する権利」を大切にするためには、まだ道半ばです。
きっと、私たちが知らないだけでないことになっている課題がたくさんあるはずです。まず私たちにできることは、今ある課題を知ることではないでしょうか。
私も、まさか自分がアドボケイトになる未来など全く想像もしていませんでした。
大きな変革は起こせなくとも、その知ったことを誰かに伝えてみるという小さな一歩が、誰かの何かを変えていくきっかけになるかもしれません。
団体HP
https://www.kodomonokoekara.or.jp/
アドボケイト養成講座のお知らせ
(2024年・冬の募集は終了していますが、随時講座を開催しています)
https://www.kodomonokoekara.or.jp/activities/17191